法然院サンガ: 321

法然院サンガからのご案内

N-0321-J

2019年 7月 1日更新

法然院サンガ

法然院サンガからの御案内と
「法然院災害対策基金」へ御寄付のお願い

南無阿弥陀佛。

 京都は6月26日にようやく梅雨入りしたようです。少雨でモリアオガエルの産卵も少なめでしたが方丈庭園や中庭の池ではオタマジャクシが泳いでいます。廬山白蓮の花茎が数本伸びてまいりました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 昨年9月4日に近畿地方を北上した台風21号により当院でも100本以上の木々や石塔・多数の墓石などが倒れ、損傷しましたが多くの皆様方から御寄付を賜わり、延べ330名の超える方々が復旧作業にご参加下さるなど皆様方が当院にお寄せ下さる温かい御心を改めて感じさせていただき、本当に有難く存じております。おかげさまで参道や庭園の片づけを終えましたが森の中や道路との間の崖など、目立たないところの復旧は道半ばで、まだまだ費用もかかりますので引き続き境内復旧と整備のための御寄付を募っています。当院までお届けいただくか、下記までお振込み下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 既にお見舞い金をお届け下さり、ご送金下さった皆様方は、どうぞご放念下さい。そして、どうぞご自愛下さい。

  郵便振替口座 口座記号番号:01050ー4ー60318

  加入者名:本山獅子谷法然院(ほんざんししがたにほうねんいん)

  ゆうちょ銀行 一〇九(イチゼロキュウ)店

  当座預金 口座番号:0060318

  名義:本山獅子谷法然院

  今年も夏の集中豪雨、台風による豪雨と風害に悩まされる季節が近づいてまいりました。毎年のように境内にも被害が出るようになりましたので此度、境内と伽藍の維持のため「法然院 災害対策基金「一口1万円で目標は1億円」を積み立てることといたしました。重ねてのお願いで誠に恐縮でございますが、ご協力賜れる方は下記までお振込み下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

 京都銀行  銀閣寺支店

 普通預金  口座番号:0436184

 口座名義:宗教法人 法然院  

 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「おてらおやつクラブ」にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品(菓子・果物・米・海苔・醤油・油など)をお届け下されば有効に活用させていただきます。

 東北地方太平洋沖地震と大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故から8年余り経ちますが、未だ大震災後ではなく、大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味し、漢訳では僧伽(そうぎゃ)、略が僧です。従って僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味しました。佛(真理に目覚めた人)、法(真理・教え)、僧の三宝を敬うことが佛教者の基本的な態度として定められておりますが僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味します。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば一切衆生を目覚めさせる阿弥陀佛の本願の力〔他力〕によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生し、佛の力で悟らせていただけるから、『南無阿弥陀佛』と唱えられるだけ唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い如何に生きてゆくのかは個々の意思に任されています。世界中で出口の無い戦い、痛ましい事件、日本では未曾有の震災が継続しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(衆生に対する分け隔ての無い大いなる慈しみと心を重ねる悲しみ)の精神に基づき、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、拘らず、返礼を求めず、生かされていることの感謝の表現として出来る時に、出来る対象に、出来る形で、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を施す)・無財施(柔和な顔、身体を他者の為に使う等)・無畏施(安心を与える)〕などの菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、社会では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に肩書や役割を外して帰って来ていただき、大慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                               合掌

                          法然院  梶田真章


  「第76回遊心会『福島県祈りの旅』」
ご報告

 6月18日〜21日に14名の皆様方と福島県を巡りました。

 18日は11時にJR郡山駅に集合、三春町のガーデンレストランサララで昼食、いわき市のスパリゾートハワイアンズにチェックイン、願成寺白水阿弥陀堂(国宝)で東北関東大震災物故衆生追悼法要を厳修し、2年ぶりに訪ねた「いわき放射能市民測定室たらちね」で広報ご担当の飯田亜由美さん「小学4年生と2歳児の母」から活動内容を伺いました。分かりやすく、想いを丁寧に話され、今後とも支援させていただく意義を改めて確認できました。御住職が若い頃に法然院で起居されていた阿弥陀寺に参拝「3度目の訪問」、本堂で追悼法要を厳修、御住職の馬目悦丈さんと娘婿で副住職の馬目一浩さんから保養キャンプや傾聴ボランティアなど8年間の実践のお話を伺いました。夕食は市内のレストラン「ラ・フォンローズ」にてフランス料理を堪能し、ホテルではフラガールによるポリネシアンショーを楽しみました。

 19日は いわき市四倉の海岸で高さ7mの防潮堤を車窓から見た後、富岡町に原子力発電所の事故の事実と廃炉等の現状を伝える場として昨年11月30日に開館した東京電力廃炉資料館を訪ねました。事故当時の映像を見た後、館内を見学しつつ職員の方々と対話しました。事故前は東京で東京電力の子会社の社員として営業の仕事をされ事故後は使命感から千葉県に御家族を残して単身赴任されている方、事故前は東京で映像関係の仕事をされ事故後は故郷の広野町に戻られて東京電力に入社され、故郷の危機に際して説明責任を果たそうとされている方など社員の方々は各々真摯に役割を務めておられますが重大な事故を起こした東京電力が気の遠くなるような廃炉作業や汚染水の処理事業を抱えながら今なお他の原子力発電所を再稼働しようとされている姿勢には決して共感することはできないと改めて思いました。その後、国道6号線を大熊町・双葉町・浪江町を通って2年ぶりに北上、帰還困難区域では道路沿いの各家の前がフェンスで塞がれた8年前から変わらぬ光景、そして汚染土を詰めたフレコンバッグが至る所に積み上げられた異様な光景に改めて胸が締め付けられました。2016年7月12日に避難指示が解除された南相馬市小高区の浄土宗浄国寺では追悼法要を勤め、御住職の大室了有さんが事故直後に放射能拡散の情報が無く、ご夫人と共に被曝されてしまわれた悔しさなど行政への不信を語られました。2年ぶりに参拝した男山八幡神社では正式参拝を行い、西道典宮司が吉田神道の護摩祈祷をされ、神社で護摩が焚かれるのを初めて目にしました。続いて宮司から2011年6月に設立され、南相馬市の小中学生に県外での夏休みの臨海、林間学校を提供されている「南相馬こどものつばさ」の活動のお話を伺いました。飯舘村の綿津見神社にも参拝し、禰宜の多田仁彦さんから原発事故前は6500人余りだった飯舘村の住民が、2017年3月31日に避難指示が解除された現在も1300人余りに過ぎず、神社の護持が困難な状況にあることを伺いました。御本人も御家族と相馬市に住まわれ、神社に通われているそうです。土湯温泉のホテル山水荘に泊りました。

 20日は磐梯吾妻レークラインを通って緑を堪能し、サルバトーレ・ダリのコレクションで知られる諸橋近代美術館に寄り、毘沙門沼から緑色の水面と磐梯山の雄姿を観て、磐梯山噴火記念館で湖沼がある裏磐梯高原の風光が1888(明治21)年の大噴火により447名の方々が他界されるという犠牲と共にあることを学びました。裏磐梯高原ホテルでパスタランチの昼食、会津若松市では飯盛山の白虎隊士19名の墓前で念佛を唱え、会津さざえ堂を拝観、1832(天保3)年から3年の歳月をかけて飯盛山を掘り抜いた戸ノ口堰洞穴を見て、鶴ヶ城を見学、茶室麟閣を拝見し、末廣酒造嘉永蔵を訪ね、熱塩温泉山形屋で地産地消の美味しい夕飯をいただきました。

 21日は法然上人の高弟 隆寛律師が開山された喜多方市の浄土宗願成寺に参拝、会津大佛として知られる御本尊阿弥陀如来像の前で追悼法要を厳修し、御住職から寺の由緒を伺いました。大地震により大きな被害を受けられ、御寄付を募っておられます。続いて大和川酒造を訪ね、エネルギー革命による地域の自立という理念により2013年に設立された会津電力の遠藤由美子さんと小林恵子さんからお話を伺いました。道の駅あいづ湯川・会津坂下の農家レストランで昼食、最澄の論敵として著名な法相宗の徳一和尚ゆかりの勝常寺で薬師三尊像(国宝)などに参拝し、会津藩主も参勤交代の際に利用された会津西街道の半農半宿の宿場町、大内宿で散策と買い物を楽しみ、JR郡山駅で解散しました。大地震・大津波・原発事故から8年余り経ち、福島県と申しましても浜通りから会津まで、お一人お一人がそれぞれの現実に生きておられることを学ばせていただいた旅でした。

                               合掌

                               梶田真章


「たまるまちこ 木のイス展」

 7月 2日(火)〜 7日(日)

午前11時〜午後4時

鑑賞 無料

於 講堂


「朝日カルチャーセンター京都」
講座 佛教と出逢う
『身近な言葉で学ぶ佛教』

 7月 3日(水)、 8月 7日(水)、 9月 4日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

於 朝日カルチャーセンター京都
(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 7,776円(3回)

 会員のみが受講できます。
入会金は5000円ですが、70歳以上の方は入会金は不要です。

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ 
インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「大谷栄一編『ともに生きる仏教〜お寺の社会活動最前線〜』(*)を読む」
第3回

(*)ちくま新書

 7月 4日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

第6章「グリーフケア」、第7章「食糧支援と被災地支援」、第8章「NPOとの協働から、終活へ」を題材に語り合います。

ご参加いただける方はテキスト(820円+税)をご購入の上、事前にお読み下さい。

参加料は御志納です。


「インドネシアの音楽と舞踊を楽しむ」

 7月 6日(土)

午後2時半(2時開場)〜3時半

出演


Ade Suparman:カチャピ(琴)とスリング(竹笛)

Nurrika:(西ジャワの踊り)    

ご予約は不要です。


「東北関東大震災 物故衆生 月忌 追悼法要」

 7月11日(木)

午前11時

参加 御志納

於 本堂

地震発生から8年4ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付いたします。


「阿満利麿著『日本精神史』(*)を読む」
第8回

(*)筑摩書房

 7月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 御志納
(テキストをお持ちでない方は別に1900円が必要です。)


「第63回 法然院 夜の森の教室」
『<空き地>という考え方』

 7月19日(金)

午後7時〜8時半(午後6時半開場)

於 本坊

お話:せんだいメディアテーク館長、臨床哲学者 鷲田清一 先生

参加料 一般:1000円 大学生:500円 高校生以下:無料

定員 150名

ご予約は法然院サンガまで


「放生会(ほうじょうえ)」

 7月25日(木)

午前10時半

参加料 御志納

於 本堂

 生命尊重の精神(不殺生戒の心)を示すため、鯉を入れた桶を本堂の縁側において法要を厳修し、鯉を池に放ちます。

 粗餐呈上いたします。

 事前申込制:ご参加いただける方は7月20日(土)までにご連絡下さい。


「第268回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 7月26日(金)

午後3時〜5時45分

参加 御志納

於 本坊

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

第3部に参加される方は法然院までご予約下さい。

第1部 午後3時 〜 3時半   おつとめ

                 本堂でご一緒にお経と念佛を唱えます。

第2部 午後3時半〜4時半    おはなし

                 「浄土宗(鎮西派)の教え」

                 梶田真章

第3部 午後4時45分〜5時45分

                 インド古典音楽

                 出演:井上憲司(シタール)
                    Glen Kniebeiss(タブラ)


「第17回 善気山遊びの寺子屋」
〜おてらで なんか やったはる〜

 7月28日(日)、29日(月) 

チラシを御覧下さい。

チラシの内容は法然院森のセンターのホームページでもご覧いただけます。 

http://fieldsociety.la.coocan.jp/

当日のプログラムをお手伝いいただける方は、法然院森のセンターまでご連絡下さい。
Tel.075-752-4582
E-mail:moricent@deluxe.ocn.ne.jp


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://fieldsociety.la.coocan.jp/


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お問い合わせ

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