法然院サンガ: 244

法然院サンガからのご案内

N-0244-J

平成25年 2月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 先日、年が明けたかと思えば、もう立春が間近、中庭では蝋梅の花が盛りを迎えました。いかがお過ごしでいらっしゃいますか。前回の葺き替えから25年以上が経ち、傷みの激しい山門の茅葺き屋根をいよいよ2月4日から3月中旬にかけて葺き替えます。東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から1年10か月以上が経ちますが、岩手県沿岸部を昨年10月16日〜17日に巡らせていただいた感想としては、福島県だけではなく岩手県沿岸部も決して大震災後ではなく大震災真只中でした。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。 私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして29年近く、この間の想いを同人誌『連続無窮』第10号(1200円)に、一昨年3月11日の東北地方太平洋沖大地震、福島第1原子力発電所の事故以降半年間の想いを同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、昨年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に、「黙祷」という習わしが広まっていることについての念佛者としての想いを同人誌『連続無窮』第13号に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。合掌

 山門の茅葺き屋根の葺き替え費用は390万円です。この事業につきまして有志の方々に浄財をお寄せいただいております。ご協力賜われます方は郵便振替用紙の通信欄に「山門修理寄付」とご記入の上、「郵便振替口座番号:01050−4−60318 加入者名:本山獅子谷法然院」までお振込み下さいますよう何卒宜しくお願い申し上げます。              合掌


「第36回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『なぜ智者の振る舞いではダメなのか〜極論の効用〜』

 2月 3日(日)

午後3時〜6時

於 本坊

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)

            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半 〜 6時  講話会

            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

法然上人は一枚起請文で、「智者の振る舞いをせずして、ただ一向に念佛すべし」と説かれています。なぜ智者の振る舞いではダメなのか、阿満先生に語っていただきます。有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌                 梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

 お申し込み:電話、E-mailにて法然院サンガまで。


平田オリザ著
「『わかりあえないことから〜コミュニケーション能力とは何か〜』を読む」
第2回

 2月7日(木)

午後1時半〜3時45分

第2章「喋らないという表現」、第3章「ランダムをプログラミングする」、第4章「冗長率を操作する」 を題材に語り合います。ご参加いただける方はテキスト(講談社現代新書:750円)をご購入の上、事前 に第4章までをお読み下さるよう宜しくお願いいたします。

参加料 志納

於 本坊


「Genmo・1畳美術館」

 2月8日(金)〜10日(日)

午前10時〜午後4時

無料

於 庫裏玄関

障がいのあるアーティストによる原毛を使ったアート作品「Genmo Art(ゲンモアート)」と創作畳職人・ 西脇一博さんの畳による移動式美術館です。詳しくは、http://www.genmo.org/ まで。


「たまる まちこ展」

2月10日(日)〜17日(日)

午前10時〜午後4時

イスなどの木工作品が並びます。

無料

於 講堂


「東北関東大震災物故衆生月忌(がっき)追悼法要」

2月11日(月・祝)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から1年11カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は被災者支援のため、「サンガ岩手」へ寄付させていただきます。
                                        合掌


「涅槃会(ねはんえ)」

 2月15日(金)

午前10時半

事前申込制

於 本堂

お釈迦さまの入滅を偲び、本堂に涅槃図を掲げて法要を厳修し、経蔵の釈迦如来像に参拝いたします。あと、 粗餐呈上いたします。準備の都合上、ご参詣いただける方は2月13日までに必ずお申し込み下さい。 合掌


「第16回 梅小路公園の未来を考える会、京都水族館見学会・意見交換会」

2月16日(土) 

第一部:京都水族館見学会

         午前10時〜正午

         京都水族館入口前集合

         9時40分から受付

         参加料:2000円

第二部:意見交換会

         午後2時〜4時

         於 京都市下京いきいき市民活動センター3階集会室

         無料

ご参加いただく専門家の方々(五十音順)


        小泉昭男さん(NPO法人ビオトープネットワーク京都)   

        幸島司郎さん(京都大学野生動物研究センター長)     

        下村泰史さん(京都造形芸術大学環境デザイン学科准教授) 

主催:「京都水族館と梅小路公園の未来を考える会」実行委員会

お問い合わせは、いきもの多様性研究所の西本さんまで

Tel.090-3973-0296 Fax.020-4666-3091

(IP・光電話の方は075-203-6449)

E-Mail:inst.biodiversity@gmail.com


「愛蘭(アイルランド)と和の音楽」

 2月16日(土)

午後7時(午後6時半開場)

於 本坊

歌と演奏


内藤希花(フィドル・ハープ) 

城田純二(ギター・バンジョー)

参加料  前売:3000円、当日:3500円

ご予約は法然院サンガ または 10strings.j@gmail.com まで


「三人展〜李庚と共に20年〜」

 2月19日(火)〜24日(日)

午前11時〜午後5時(最終日は午後4時まで)

無料

於 講堂

出品作家


李 庚、川上温子、今井惠子

連絡先:今井惠子さん[Tel.090-1077-1989]


「『仏教入門』(三枝充悳(さいぐさみつよし)著・岩波新書)を読む」
第6回

 2月21日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に850円が必要です。)

平川 彰 先生の「仏教入門」を読ませていただいてから時が流れましたので、此度は三枝先生の「仏教入門」を 取り上げております。入門とはいえ、難しい内容を含んでおりますが、ご一緒に読んでまいりましょう。
                                       梶田真章


「第83回 ふろしきトーク」

 2月23日(土)

午後2時〜4時

於 本坊

●お話「一枚布をまとう世界〜南アジアの女性たちのくらしと布〜」

    講師:上羽陽子さん(国立民族学博物館文化資源研究センター 助教)

    身にまとう、頭に被る、赤ちゃんを抱く、荷物を運ぶ・・・。
    南アジアを幾度も訪れ、現地で見て学んだ布についてのお話や
    暮らしの中での活用をご紹介いただきます。

●ふろしきワークショップ「サイズをつかんで、ふろしきを使いこなそう」

    45センチ幅から2メートルくらいのものもあり、まとう、包む、運ぶなど、
    サイズごとの活用例を体験していただきます。

参加料 会員の方:700円、一般の方:900円

お問い合わせ・お申し込み:Tel.075-432-2722 Fax.075-432-3832

E-mail:rsj57767@nifty.com

URL http://homepage3.nifty.com/furoshiki/


「第191回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 2月26日(火)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

午後3時〜3時半      おつとめ
              本堂でご一緒にお経を唱えます。

午後3時半〜4時半     おはなし
             「親鸞聖人の佛教」梶田真章

午後4時45分〜5時半   落語
              出演  桂 雀太さん

桂 雀太さんは、桂 雀三郎師の三番弟子で進境著しい噺家さんです。ご期待下さい。


「第19回 ちおん舎・新・染屋町寄席」

 3月 1日(金)

午後7時(午後6時半開場)

於 ちおん舎

京都市中京区衣棚通(烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側

Tel.075-221-7510

出演


桂そうば(ざこば師匠の弟子)

桂しん吉(吉朝師匠の弟子) 

桂 二乗(米二師匠の弟子) 

参加料 ご予約:1300円、当日:1500円

お問い合わせ・ご予約は法然院サンガまで


「風の集い」SOHO禅(観音禅・感謝念佛)

 3月 3日(日)

午後2時〜5時頃(午後1時半開場)

於 大書院

主宰:町田宗鳳(そうほう)先生〔広島大学大学院総合科学研究科教授〕

参加料 一般:1500円、学生:1000円

法然院サンガまでご予約下さい。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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