法然院サンガ: 348

法然院サンガからのご案内

N-0348-J

2021年 9月29日更新
2021年10月13日追加

法然院サンガ

法然院サンガからの御案内と御寄付のお願い

南無阿弥陀佛。

 境内では秋海棠(しゅうかいどう)、秋明菊(しゅうめいぎく)(貴船菊)、酔芙蓉が咲き、すっかり秋の風情となりましたが、日中の気温は30℃前後まで上がる日々が続いています。皆様方にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 新型コロナウイルスにつきましては新たな感染確認者は減少傾向を示し、21都道府県で実施されている緊急事態宣言は9月30日で解除されることが決まりました。しかし10月に人出が増えれば再び感染者の増加が予想されるなど、ワクチンの接種が少しずつ進んでいるとはいえ先が見通せず、心配が尽きない毎日です。皆様方の身近な方にも感染者がいらっしゃる状況かと存じます。心よりお見舞い申し上げます。医療従事者の皆様方の獅子奮迅のご尽力には普段にも増して深い敬意と感謝の念を抱き、他界された方々には心から哀悼の意を表し、『南無阿弥陀佛』を唱えています。誰がいつ感染してもおかしくなく、感染しても入院できずに自宅療養を余儀なくされる方も多い状況の中、今後も出来るだけ感染しないよう、感染していただかないよう注意深く過ごしてゆくしかありません。医療機関の連携の進展により医療の逼迫状況が軽減されることを願っています。くれぐれもお大事にお過ごし下さい。

 このような状況ですが、引き続き「法然院 災害対策基金(一口1万円で目標は1億円)を積み立てております。現在まで賜わりました御寄付は約2780万円となっております。誠に有り難く存じております。受入口座は下記の通りです。引き続き宜しくお願い申し上げます。既にお納めいただいた方はどうぞご放念下さい。合掌

  京都銀行  銀閣寺支店  普通預金  口座番号:0436184 
  口座名義:宗教法人 法然院

 2011年3月11日午後2時46分に発生した東北地方から関東地方の太平洋沖を震源域とするマグニチュード9.0の地震と津波による東日本大震災により他界された方々、更には犬・猫・水族館の魚など、ヒト以外の動植物を含む一切衆生の成佛を信じるために地震の翌日から「東北関東大震災物故衆生之霊」の位牌を安置して念佛を唱え、毎月11日には追悼法要を厳修しております。2011年5月1日〜7日に勤めた第1回「悲願会」から昨年11月21日〜23日に勤めた第20回「悲願会」まで被災者に心を重ね被災地の復興に関わる決意を表す「悲願会」(法要、コンサート、茶席、バザー、美術作品の展示、対話の時間等)を開きました。発災から10年を経ても被災地(特に福島県浜通り)の復興は未だ道半ばにも届かず、大震災後ではなく未だ大震災真只中の日本です。

 原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味し、漢訳では僧伽(そうぎゃ)、略が僧です。従って僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味しました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味します。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば一切衆生を目覚めさせる阿弥陀佛の本願の力〔他力〕によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生し、佛の力で悟らせていただけるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い如何に生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 新型コロナウイルスの感染拡大により他の出来事についての情報に接する機会が減っておりますが、世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が継続しております。お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を重ねる同情)の精神に基づき、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、拘らず、返礼を求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。

 心の潤いと糧の補給に体調に留意されつつ、お立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                               合掌

                          法然院  梶田真章


 感染拡大の防止に留意しつつ下記の行事、集いを執り行います。体調に留意され、マスクをご着用の上、入口で手指を消毒されて御参加下さい。今後の感染状況の変化によりましては行事、集いを延期または中止することもございますので、ご参加いただける方は実施の有無を直前にご確認下さい。


読書の秋です。

下記の書籍のご一読をお薦めいたします。


(1)グッド・アンセスター
    〜わたしたちは「よき祖先」になれるか〜
    ローマン・クルツナリック著、松本紹圭訳(あすなろ書房)

「短期思考」から「長期思考」へ。未来の人たちにとって私たちがよき祖先となるには今どのように行動するべきなのか。


(2)僕たちはどう生きるか
    〜言葉と思考のエコロジカルな転回〜
    森田真生著(集英社)

「数学する身体」「数学の贈り物」「計算する生命」に続く本書は、昨年春から暮らしが激変する中で編まれました。生き ものたちとの触れ合いの中で綴られた二児の父親でもある著者の思考の深まりは、子育ての参考にもなることでしょう。


(3)ポストコロナの生命哲学
    〜「いのち」が発する自然(ピュシス)の歌を聴け〜
    福岡伸一・伊藤亜紗・藤原辰史 著(集英社新書)      

「生命を情報と見過ぎたこと、ロゴス(論理)化し過ぎたことが、いったい何をもたらしたか。」「ロゴスの作用の一番の弊害は、自らの生命が、そして自らの身体が、最も不確かな自然であることをすっかり忘れてしまったことである。」(福岡伸一)


「染谷みち子作品展」
『遠き日』

10月5日(火)〜10日(日)

午前10時〜午後5時 

鑑賞無料

於 講堂


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座」
『阿弥陀佛の物語を聞く』

10月6日(水)、11月17日(水)、12月 1日(水)

午前10時半〜正午 

講師: 梶田真章

於 朝日カルチャーセンター京都
(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 8,580円(3回)

会員のみが受講できます。

入会金は5000円ですが、70歳以上の方は入会金不要です。

オンライン受講も可能です。

受講料:会員 8910円、一般 9900円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ  
インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「橘 玲(あきら)著『無理ゲー社会』(*)を読む」
第1回

(*)小学館新書

10月 7日(木)

午後1時半〜3時45分

「はじめに」と「Part1」を題材に語り合います。

参加料は御志納です。

テキストをお持ちでない方は別に900円が必要です。


「東北関東大震災物故衆生 月忌追悼法要」

10月11日(月)

午前11時 

参加料 御志納   

 地震発生から10年7ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。

 御志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付いたします。


「佐々木閑著『宗教の本性〜誰が“私”を救うのか〜』(*)を読む」
第3回

(*)NHK出版新書

10月21日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 御志納

(テキストをお持ちでない方は別に950円が必要です。)


「第295回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

10月26日(木) 

午後3時〜5時45分

参加料 御志納

於 本坊

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

第1部 

午後3時〜3時半      おつとめ

              本堂でご一緒にお経と念佛を唱えます。


第2部

午後3時半〜4時半     おはなし

              「身近な言葉で学ぶ佛教 その2」 梶田真章


第3部

午後4時45分〜5時45分 落語会

              出演:桂 米紫さん(塩鯛師匠の一番弟子)


「第65回 法然院 夜の森の教室」
『ポストコロナをどう生きるか』

対談
藤原辰史(たつし)さん X 森田真生(まさお)さん
(歴史学者)        (数学者)

10月28日(木)

午後6時半〜8時半

参加料 一般:1000円 大学生:500円 高校生以下:無料  

定員 100名

参加を希望される方は必ずご予約下さい。

定員に達し次第締め切ります。

藤原辰史


京都大学准教授。

著書に、『ナチスのキッチン』、『戦争と農業』、『分解の哲学』、
『縁食論』、『ポストコロナの生命哲学』等

森田真生


数学者。独立研究者。

著書に、『数学する身体』、『計算する生命』、
『数学の贈り物』、『僕たちはどう生きるか』等

 近年、次々と学びに溢れた書籍を上梓されているお二人に時宜を得たテーマで語り合っていただけることになりました。皆様方の御参加をお待ち申し上げております。定員がございます。お早めにお申し込み下さい。        合掌


「秋季伽藍内特別公開」

11月 1日(月)〜 7日(日) 

午前9時〜午後4時 

入山料:800円(大学生:400円、高校生以下は無料)

 方丈の重要文化財の狩野光信筆の襖絵、堂本印象筆の襖絵、大書院の龍の襖絵などをご鑑賞下さい。

 随時、法話もいたしております。法話の時刻は毎日変わります。聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。           

                                  合掌


「富永成風 『希望の光』第21回記念展」

11月 1日(月)〜 7日(日)

午前10時〜午後4時 

鑑賞 無料

於 南書院

 墨色には希望の光の色がある。すべてを包む深い世界に輝く光の色が 今この時、人々の想いを 少しでも“change”へ・・・全てはひとつ

                                   合掌

主催 一般社団法人 縁珠

e-mail:contact@enju-hanahiraku.or.jp


「法然院中興第2世宣譽忍澂和尚 311回忌法要」

  11月10日(火)

午前10時半

  粗餐呈上いたします。

 準備の都合上、御参詣いただける方は11月5日までに必ずお申し込み賜わりますよう、お願い申し上げます。

忍澂


 1645年に江戸に生まれる。増上寺山内最勝院直伝、岩槻浄国寺在住中の萬無、増上寺林冏、幡随院知闡などに師事した後、近江国 木本浄信寺の地蔵、竹生島などに祈願。教化のかたわら神道を研究したが、後に戒律の研究と実践に励んだ。1681(延宝9)年7月に法然 院を中興し入院、1693(元禄6)年8月、当院山内影臨庵に隠居し、著述・教化に専念、1706(宝永3)年から1710(宝永7)年にかけては、大蔵経対校の大事業を行った。1711(正徳1)年11月10日往生(67歳)。著書は「浄業課誦」「一枚起請諺論」「勅修御伝縁起」など。


「東北関東大震災物故衆生 月忌追悼法要」

11月11日(木)

午前11時

  参加料 御志納   

 地震発生から10年8ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。

 御志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付いたします。


「橘 玲(あきら)著『無理ゲー社会』(*)を読む」
第2回

(*)小学館新書

11月11日(木) 

午後1時半〜3時45分

「Part2」と、「Part3」を題材に語り合います。

参加料は御志納です。

テキストをお持ちでない方は別に900円が必要です。


「佐々木閑著『宗教の本性〜誰が“私”を救うのか〜』(*)を読む」
第4回

(*)NHK出版新書

11月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 御志納

(テキストをお持ちでない方は別に950円が必要です。)


「第22回 悲願会(ひがんえ)」

〜悲願に生きる菩薩行の実践〜

11月21日(日)〜23日(火・祝)

法要を厳修し、茶会や展示を行い、コンサートを開きます。

詳細は未定です。


2021年の主な行事予定


*毎月26日     「善気山念佛会」(12月を除く)

 2月15日     「涅槃会」

 3月14日     「善導大師忌」

 4月 1日〜 7日 「春季伽藍内特別公開」

 4月 8日     「灌佛会(花まつり)」

 4月29日     「一日授戒会」

 6月25日     「中興第1世 萬無和尚忌」

 7月25日     「放生会(ほうじょうえ)」

 7月下旬      「善気山遊びの寺子屋〜おてらでなんかやったはる〜」

 8月24日     「地蔵盆」

 9月10日     「廣布薩(こうふさつ)」

11月 1日〜 7日 「秋季伽藍内特別公開」

11月10日     「中興第2世 忍澂和尚忌」

11月21日〜23日 「第22回 悲願会」

12月 8日     「成道会」

12月31日     「除夜の鐘」


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689
Fax. 075-752-1083
E-mail:byakurenja1212@gmail.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://fieldsociety.la.coocan.jp/


郵便振替口座

口座記号番号:01050?4?60318

加入者名:本山獅子谷法然院(ほんざんししがたにほうねんいん)


ゆうちょ銀行 一〇九(イチゼロキュウ)店

当座預金 口座番号:0060318

名義:本山獅子谷法然院


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お問い合わせ

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