法然院サンガ: 298

法然院サンガからのご案内

N-0298-J

平成29年 8月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 本尊前の須弥壇上には二十五菩薩を象徴する二十五輪の木槿(むくげ)を毎朝並べる日々が続いています。皆様方にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。酷暑お見舞い申し上げます。廬山白蓮(ろざんびゃくれん)は既に6輪咲きました。お出ましにくい季節でございますが、下記の通り御参加をお待ち申し上げております。


 第二次世界大戦で死ぬことを余儀なくされた方々を追悼し、非戦の誓いを新たにする8月を迎えます。当院では長らく鐘を撞くことでこの願いを表してまいりました。今年も8月6日の午前8時15分、8月9日の午前11時2分、8月15日の正午に鐘を鳴らします。皆様方も黙祷ではなく、「南無阿弥陀佛」「南無妙法蓮華経」「真言」など大切にされている言葉と共にお祈り下さい。


 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「お寺おやつクラブ」(超宗派佛教徒によるインターネット寺院『虚空山彼岸寺』の活動の一環として始まった取り組みです)にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品(菓子・果物・海苔・醤油・油など)をお届け下されば有効に活用させていただきます。ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが境内の環境保全には年間1000万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。ご協力いただける方は郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。郵便振替口座番号:01050−4−60318 加入者名:本山獅子谷法然院(ほんざんししがたにほうねんいん)

 東北地方太平洋沖地震と大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年半以上経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味し、漢訳では僧伽(そうぎゃ)、略が僧です。従って僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味しました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しています。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせる阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただけるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が継続しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を重ねる同情)の精神に基づき、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、拘らず、返礼を求めず、生かされていることの感謝の表現として出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施(法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える))に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                合掌

                                法然院  梶田真章


「磯田道史著『“司馬遼太郎”で読む日本史』(*)を読む」
第2回

*NHK出版新書

 8月 3日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

 第3章「明治の『理想』はいかに実ったか」、第4章「『鬼胎の時代』の謎に迫る」、終章「21世紀に生きる私たちへ」を題材に語り合います。御参加いただける方はテキスト(780円+税)をご購入の上、事前にお読み下さい。参加料は御志納です。

磯田道史


 1970年、岡山市生まれ。2002年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。専攻は日本近世社会経済史・歴史社会学・日本古文書学。現在、国際日本文化研究センター准教授。著書は『武士の家計簿』、『殿様の通信簿』『日本人の叡智』『龍馬史』『歴史の愉しみ方』『無私の日本人』『天災から日本史を読みなおす』等。


「第7回 善気山文化塾」
『私が考える日本食〜日本料理の道を歩んで30年〜』

 8月 6日(日)

午後1時半〜3時

(1時15分開場)

於 本堂

お話:日本料理 一凛(いちりん)(*)店主 橋本幹造さん

*:東京都渋谷区神宮前

参加料:檀信徒:無料、一般:1000円、大学生以下:無料

定員:150名(法然院サンガへご予約下さい)

 南無阿弥陀佛

 此度、当院檀信徒であり、NHKテレビの「あさイチ」3シェフNEOのお一人としてお茶の間にもお馴染みの橋本幹造さんをお招きし、日本料理についてのお考えをお聞きする機会を得ました。御参加をお待ち申し上げております。

橋本幹造


 1970年、京都生まれ。18歳から料理の道に入り、京都と東京の名店にて経験を積む。赤坂で京料理店の料理長を務めた後、2007年に現在の「一凛」を開業。2009年にミシュランの一つ星を取得。さらに2012年には二つ星へと昇格を果たす。旨い料理はもちろんのこと、それを支える文化や習わしまでも料理や空間に生かし、食の五感で楽しめるもてなしを提供してくれる。巧みな技から生まれる味わいとともに、その温かな人柄に惹かれて訪れるファンも多い。現在はNHKへの出演や炊飯土鍋開発など、多方面で活躍の場を広げている。


「東北関東大震災物故衆生月忌追悼法要」

8月11日(金)

午前11時

参加 志納

於 本堂

 地震発生から6年5ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付させていただきます。


「入門 近代仏教思想」

 8月17日(木)

午後1時半〜3時45分

講師:碧海寿広(おうみとしひろ)先生

参加料 御志納 於 本坊

碧海寿広


 1981年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、龍谷大学アジア仏教文化研究センター博士研究員。博士(社会学)。専門は宗教学、近代仏教。著書は『近代仏教の中の真宗』(法蔵館、2014年)、『宗教と社会のフロンティア』(共著、勁草書房、2012年)、『近代仏教スタディーズ』(共著、法蔵館、2016年)など


「地蔵盆(じぞうぼん)おつとめ」

 8月24日(木)

午後2時

おやつ・福引・大道芸

参加 志納

於 本堂

 佛・菩薩にはそれぞれの縁日(有縁日)があり、薬師如来は8日、阿弥陀如来は15日、観音菩薩は18日、大日如来・不動尊は28日とされています。地蔵菩薩の縁日は24日で、特に8月(旧暦では7月)24日を地蔵盆と称し、年中行事の一つとして地蔵菩薩を讃え、感謝する法要を厳修します。参詣者が輪になって大きな数珠を回しながら『南無地蔵大菩薩』と唱え、お地蔵さまの徳を讃えます。お子さま連れで多数ご参詣下さい。勿論、大人の方のみのご参詣も歓迎いたします。法要終了後は、おやつ呈上・福引に続き、大阪から「遊びの玉手箱」の皆様をお迎えし、大道芸をお楽しみいただきます。

準備の都合上、ご参加いただける方は8月21日までに法然院サンガへお申込み下さい。


「第245回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 8月26日(土)

午後3時〜5時45分

参加 御志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

第1部 午後3時 〜 3時半     おつとめ

                   本堂でご一緒にお経と念佛を唱えます。

第2部 午後3時半〜4時半      おはなし

                   「業(カルマン)とは?」  梶田真章

第3部 午後4時45分〜5時45分  怪談朗読

                   上田秋成作『雨月物語』より「新釋 吉備津の釜」

                   朗読:女優 まつむら眞弓


「“ときのあとさき” mama!milk 演奏会」

 9月 2日(土)

午後5時55分開演(午後4時55分開場)

8時頃終演予定

於 方丈

出演


生駒祐子(アコーディオン)

清水恒輔(コントラバス) 


茶事:川西まり

空間演出:筆谷亮也

音響:鶴林万平

宣伝美術:坂田佐武郎

制作:島田達也

web:帖佐翔人

参加料 3500円

ご予約・お問い合わせ E-mail:tokino@atosaki.net


「楠木 新著『定年後〜50歳からの生き方、終わり方』(*)を読む」
第1回

(*)中公新書

 9月 7日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

 プロローグ「人生は後半戦が勝負」、第1章「全員が合格点」、第2章「イキイキした人は2割未満?」、第3章「亭主元気で留守がいい」、第4章「『黄金の15年』を輝かせるために」を題材に語り合います。

御参加いただける方はテキスト(780円+税])をご購入の上、事前にお読み下さい。

参加料は御志納です。

楠木 新(あらた)


 1954年、神戸市に生まれる。京都大学法学部卒業。大手生命保険会社に入社し、人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。勤務と並行して大阪府立大学大学院でMBAを取得。関西大学商学部非常勤講師を務め、「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。


「東北関東大震災物故衆生月忌追悼法要」

 9月11日(月)

午前11時

参加 御志納

於 本堂

 地震発生から6年6ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は「いわき放射能市民測定室たらちね」へ寄付させていただきます。


「京の韻(みやこのひびき)」
第1回

京都府次世代等古典芸能普及促進公演

 9月16日(土)

午後5時

曲目


  早舟     (柳川検校作曲)         

  六段恋慕   (岸野次郎三作曲)        

  貴船     (藤林検校作曲)         

  ゆかりの月  (鶴山勾当作曲)         

  玉の台    (松浦検校作曲・八重崎検校箏手付)

  嵯峨の春   (浦崎検校作曲)         

出演


箏・三絃・柳川三味線・胡弓


市川佐代子・伊藤志野・牛田陽子・岡田多栄子・高井里見・野田典子
野田友紀、野田弥生・林美惠子・林美音子・百竹史子・堀志津子・宮口順子


尺八


倉橋容堂

解説:久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)

参加料(茶菓子付):前売 2500円、当日 3000円、学生 1000円

小中高生 無料

未就学児 不可

お申し込みは えん[Tel.072-683-6733 E-mail en-itou@mue.biglobe.ne.jp]まで

 京都は江戸時代より地歌の中心的な存在で、数多くの名曲が生まれました。時代を追って明治の初めの頃までの曲を取り上げます。京流を継承している演奏家により、京都の地歌の真髄を聴いていただきます。著名な久保田敏子教授の分かりやすく面白い解説とともにお楽しみ下さい。


「第22回 法然院 落語の宴」

 9月18日(月・祝)

午後2時(1時半開場)

於 方丈

出演


桂 塩鯛  『質屋蔵』『一人酒盛』    

桂 宗助  『べかこ』          

桂 米輝  『考えもん(小倉船船上の場)』

参加料:前売 3000円、当日 3500円

ご予約は法然院サンガまで


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://fieldsociety.la.coocan.jp/


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お問い合わせ

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