法然院サンガ: 274

法然院サンガからのご案内

N-0274-J

平成27年 8月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 蓮池では13本の廬山白蓮(ろざんびゃくれん)の花茎が伸びて既に12輪の花が開きました。本尊前の須弥壇上には二十五輪の木槿(むくげ)を毎朝並べる日々が続いています。皆様方にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。酷暑お見舞い申し上げます。 今年も7月27日(月)〜29日(水)の3日間に亘り100名を超える達人・案内人・ボランティアスタッフ・経済的支援者の皆様方のご協力によって「善気山遊びの寺子屋〜おてらで なんか やったはる〜」を開き(13回目です)、境内は子どもたちの真剣な眼差しと笑顔、時折の泣き声に包まれました。ご参加下さった皆様方に心より御礼を申し上げます。

 下記の通り御参詣をお待ち申し上げております。猛暑は暫く続きそうです。ご自愛の程を念じ上げます。

 第二次世界大戦で死ぬことを余儀なくされた方々を追悼し、非戦の誓いを新たにする8月を迎えました。当院では長らく鐘を撞くことでこの願いを表してまいりました。今年も8月6日の午前8時15分、8月9日の午前11時2分、8月15日の正午に鐘を鳴らします。皆様方も黙祷ではなく、「南無阿弥陀佛」「南無妙法蓮華経」「真言」など大切にされている言葉と共にお祈り下さい。

 2013年5月21日〜23日に「遊心会『平泉・陸中海岸 祈りの旅』」を実施し、岩手県平泉町の中尊寺と毛越寺・花巻市の宮沢賢治記念館・遠野市の遠野ふるさと村・釜石市根浜海岸・大槌町の大念寺と江岸寺・宮古市浄土ヶ浜を訪ねました。2014年6月16日〜18日には「遊心会『いわき市・南三陸町 祈りの旅』」を実施し、福島県いわき市、宮城県松島町、宮城県南三陸町などを訪ねました。本年は7月6日〜8日に「遊心会『南三陸海岸 祈りの旅』」を実施し、宮城県松島町、石巻市の石巻復興支援ネットワークと石巻市立大川小学校跡地、南三陸町の防災対策庁舎跡と上山八幡宮、気仙沼市の岩井崎、唐桑半島、海の市・シャークミュージアム、岩手県陸前高田市の奇跡の一本松と普門寺、陸前高田市の大船渡保育園と酔仙酒造大船渡蔵などを訪ね、大津波により生徒74名、教職員10名、スクールバスの乗務員が他界された石巻市立大川小学校跡地、防災無線で避難を呼びかけられた遠藤未希さん(南三陸町危機管理課職員、24歳)など41名が他界され、短くとも2031年までは宮城県が管理し震災遺構として保存されることになった南三陸町防災対策庁舎跡地、陸前高田市の普門寺などで「東北関東大震災 物故衆生 追悼の念佛」を唱えました。南三陸町や陸前高田市では山を崩して市街地を嵩上げする盛土工事の真最中でしたが、市街地の嵩上げが未来に向けて最善の選択なのかどうか改めて疑問を感じました。また動いていない重機が道端に多数見られるなど人手不足は深刻なようでした。気仙沼市の唐桑半島ビジターセンターの職員の方が「東京オリンピックが決まらなければ復興のスピードはもっと速いはずですが…」とおっしゃっていたのが心に残りました。石巻復興支援ネットワークの兼子佳恵様と山口智大様、南三陸石けん工房の厨勝義様、上山八幡宮の工藤真弓様、気仙沼市の丸光製麺(株)の熊谷敬子様、大船渡保育園の皆様方など、今後も被災地に暮らされている方々との個人的な繋がりを大切にしながら被災者・被災地に関わらせていただこうと思います。

 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「お寺おやつクラブ」(超宗派佛教徒によるインターネット寺院『虚空山彼岸寺』の活動の一環として始まった取り組みです)にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品(菓子・果物・海苔・醤油・油など)をお届け下されば有効に活用させていただきます。ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全には年間1000万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。雨漏りに悩まされている食堂[文殊菩薩像を安置しており、毎月の佛教書を読む集いや読書会に利用しています]の屋根の葺き替え工事を実施しています。7月17日から18日にかけての豪雨で墓地内の崖の一部が崩れたため復旧作業を余儀なくされております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。  郵便振替口座番号:01050−4−60318  加入者名:本山獅子谷法然院

 東北地方太平洋沖地震と大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年半以上経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座」
佛教でこころ豊かに生きる

 8月5日(水)、9月2日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

 8月 5日 「禅僧の言葉で学ぶ佛教  その2」

 9月 2日 「禅僧の言葉で学ぶ佛教  その3」

於 朝日カルチャーセンター京都(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 有料

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「橋元良明 著『メディアと日本人〜変わりゆく日常〜』(岩波新書)を読む」
第3回

 8月 6日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

「第3章 メディアの『悪影響』を考える」を題材に語り合います。

参加料 御志納

ご参加いただける方は事前にテキスト(821円)をご購入の上、お読み下さい。


法話「お盆のこころ『佛教と先祖教』」

 8月 9日(日)

午後1時半〜3時

講師:梶田真章

参加志納

於 本坊


「東北関東大震災 物故衆生 月忌 追悼法要」

 8月11日(火)

午前11時

参加 志納

於 本堂

 地震発生から4年5ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。


法話「こころ豊かに生きる〜絆と縁、愛と慈悲〜」

 8月16日(日)

午後3時〜3時45分

講師:梶田真章

参加志納 p 於 本坊


「中村 元 著『往生要集(源信著)を読む』を読む」

*『往生要集(源信著)を読む』:講談社学術文庫

第3回

 8月20日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納

テキストをお持ちでない方は別に1000円が必要です。)

 中村 元 先生の解説により『往生要集』をご一緒に読んでいます。ご参加をお待ち申し上げております。


「第2回 朗読音楽劇『曾根崎心中 観音廻り』」

 8月22日(土)

午後6時(午後5時半開場)

於 方丈

    原作:近松門左衛門   

 脚本・演出:志摩欽哉     

    音楽:劇団ふたごぼし  

     曲:上村美智子    

     歌:日高由貴     

    語り:武 順子     

    お初:植田聖子     

   徳兵衛:岩崎 竜     

   九平次:生田克正     

    亭主:いけだなおみ   

    内儀:松田洋子     

傍輩(よね):桃咲杏花     

                        その他

主催:朗読企画「でくの工房」

参加料:御予約 2000円、当日 2500円

ご予約&お問い合わせ:朗読企画「でくの工房」

Tel.090-1248-4679 E-mail:tobiume.tobiuo@zeus.eonet.ne.jpまで


「地蔵盆(じぞうぼん)おつとめ」

 8月24日(月)

午後2時

参加 志納

於 本堂

 佛・菩薩にはそれぞれの縁日(有縁日)があり、薬師如来は8日、阿弥陀如来は15日、観音菩薩は18日、大日如来・不動尊は28日とされています。地蔵菩薩の縁日は24日で、特に8月(旧暦では7月)24日を地蔵盆と称し、年中行事の一つとして地蔵菩薩を讃え、感謝する法要を厳修します。参詣者が輪になって大きな数珠を回しながら『南無地蔵大菩薩』と唱え、お地蔵さまの徳を讃えます。お子さま連れで多数ご参詣下さい。勿論、大人の方のみのご参詣も歓迎いたします。法要終了後は、おやつ呈上・福引に続き、大道芸「モジヤ博士の音と遊ぼう」をお楽しみいただけます。

 準備の都合上、ご参加いただける方は8月20日までに法然院サンガへお申込み下さい。

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
梵語クシティガルバ


 釈尊の入滅後、弥勒(みろく)佛の出生するまで間、無佛の世界に住して六道の衆生(しゅじょう)を教化・救済するという菩薩。像は、胎蔵界曼荼羅地蔵院の主尊は菩薩形に表されるが、一般には左手に宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ比丘(びく)形で表される。中国では唐代、日本では平安時代より盛んに信仰される。子安地蔵・六地蔵・延命地蔵・勝軍地蔵などもある。地蔵尊。[『広辞苑』第六版 より]


「第221回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 8月26日(水)

午後3時〜5時45分

参加 御志納

於 本坊

ご予約不要です。ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部 午後3時 〜3時半     おつとめ

                  本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部 午後3時半 〜4時半    おはなし 「戒律と戒名について」

                  梶田真章

第3部 午後4時45分〜午後6時  おはなし

                  盆栽研究者・川?仁美さん


「橋元良明 著『メディアと日本人〜変わりゆく日常〜』(岩波新書)を読む」
第4回

 9月 3日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

「第4章 ネット世代のメンタリティー〜ケータイ+ネットの魅力〜」を題材に語り合います。

参加料 御志納

ご参加いただける方は事前にテキスト(821円)をご購入の上、お読み下さい。


「東北関東大震災 物故衆生 月忌 追悼法要」

 9月11日(金)

午前11時

参加 志納

於 本堂

 地震発生から4年6ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は福島の子どもたちの沖縄での保養プロジェクトや放射能市民測定室での甲状腺 の検診プロジェクトに取り組む「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
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