法然院サンガ: 266

法然院サンガからのご案内

N-0266-J

平成26年12月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 今年も早、師走を迎えました。境内の楓の紅葉は盛りを過ぎましたが、まだ暫くは名残りの紅葉を楽しむことができます。皆様方にはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。9月27日(土)午前11時52分に御嶽山(標高3067m)が噴火、55名以上の方々が他界される大惨事となりました。御嶽山は国内では富士山に次ぐ標高の活火山で御嶽(これぞ山)と拝まれてきた霊峰です。「頂上奥社は文武天皇の御代、大宝2(702)年に信濃国司高根道基が創建し、光仁天皇の宝亀5(744)年に信濃国司石川朝臣望足が勅命を奉じ登山し悪疫退散を祈願され、延長3(925)年に白川少将重頼登山し神殿を再建し、応保元(1161)年に後白河上皇の勅使が登山参拝された。(中略)古来登山するには麓で百日精進潔斎の修行をしてから登拝したものでありましたが、後世の天明2(1782)年に覚明行者が黒沢口登山道を、寛政4(1792)年に普寛行者が王滝口登山道をそれぞれ開き、講社を作り、軽精進潔斎で盛んに登山を奨励し、続いて一心行者、一山行者もこの跡を継ぎ、諸行者相継いで神山の尊きこと全国に広まり今日の盛大なる御嶽講社の基礎となっています。」と御嶽神社のホームページには記載されています。古くからその活動により霊山と畏れられた結果、神社が設けられ、鎮まっていて下さることが祈られ続けてきた御嶽山。今回の出来事は百日間の精進潔斎をして死も覚悟した行者だけが登られていた山が日常的に誰でもが登れる身近な山になった結果引き起こされた惨事と申すしかございません。改めて荒ぶるからこそ神社が建てられたという原点を忘れず、万物への畏敬と感謝の念を持ち続けることが肝要であると心に刻みました。富士山もいつ噴火してもおかしくないと思いますが出来るだけ鎮まっていて下さることを願っております。「南無阿弥陀佛」を唱え、不幸にも他界された方々の往生、成佛を信じたく存じます。

 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「お寺おやつクラブ」(超宗派佛教徒によるインターネット寺院『虚空山彼岸寺』の活動の一環として始まった取り組みです)にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品(菓子・果物・海苔・醤油・油など)をお届け下されば有効に活用させていただきます。ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全には年間800万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。 郵便振替口座番号:01050−4−60318  加入者名:本山獅子谷法然院

 東北地方太平洋沖地震と大津波、東京電力福島第一原子力発電所の事故から3年半以上経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章


「アレクセイ・リュビモフ ピアノリサイタル」
<Soiree Musicale>

12月 2日(火)

午後7時(午後6時開場)

於 庫裏玄関

プログラム


         モーツァルト/ピアノソナタ ニ長調 KV311

         シューベルト/4つの即興曲 Op.142 D935

         C.P.E.バッハ/ファンタジー

         モーツァルト/ピアノソナタ ハ短調 KV457

参加料:前売券 7500円(シャンパン付)、7000円(シャンパン無し)、

当日券 7500円、シニア(60歳以上)5000円、大学生以下 4000円

お問い合わせ:info@mcsyaf.com

チケットお申し込み:boxoffice@mcsyaf.com

チケットのご購入は、M河合楽器製作所京都店(Tel.075-682-5600)まで


「釈 徹宗著『宗教は人を救えるのか』を読む」
第5回

12月 4日(木)

午後1時半〜3時45分

参加料 志納

於 本坊

第4章「身近な悩みに、仏教はどこまで寄り添えるのか」を題材に語り合います。

ご参加いただける方はテキスト(角川SSC新書 900円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「第42回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『無量寿経』の革命性

12月 7日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)   本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半〜6時    講話会         書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
                        後半は対話によって深めます。

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。

「阿満利麿先生を囲んでの懇親会」

午後6時半〜

一乗寺の旬彩「いかわ」にて

会費 4000円

ご参加のお申し込みは12月3日までにお願いいたします。

阿満利麿(あま としまろ)


1939年、京都市生まれ。京都大学教育学部卒業後、NHKに入局。教養番組ディレクターとして「教養特集」、「テレビ評伝」、国際共同企画「禅の世界」などを制作。1987年4月、明治学院大学国際学部の創設に 際して「佛教文化論」、「民俗学」の教授として招かれる。のち国際学部長、大学図書館長などをつとめる。その間、鈴木大拙が創設した英文佛教雑誌「イースタン・ブッディスト」の編集委員、「地方の時代・映像祭」審査員長などを歴任。2006年依願退職。若い人々と求道雑誌「連続無窮」を創刊。1986年、『宗教の深層〜聖なるものへの衝動』でサントリー学芸賞受賞。現在「連続無窮の会」同人、明治学院大学名誉教授。


著書


『親鸞・普遍への道』『宗教の深層 聖なるものへの衝動』『宗教が甦るとき』『法然の衝撃』『宗教は国家を超えられるか』『日本人はなぜ無宗教なのか』『人はなぜ宗教を必要とするのか』『法然を読む「選択本願念仏集」講義』『信に生きる 親鸞』『社会をつくる仏教』『無宗教からの「歎異抄」読解』『仏教と日本人』『歎異抄−親鸞』『親鸞からの手紙』『親鸞』『行動する仏教−法然・親鸞の教えを受けつぐ』『法然入門』

主宰する同人誌『連続無窮』は第17号まで既刊。


「成道会(じょうどうえ)」

12月 8日(月)

午前10時半

お釈迦さまの成道(悟りを得られたこと)を讃え、報恩感謝の気持ちを込めて 本堂にて法要を厳修し、経蔵に参拝いたします。粗餐呈上いたします。

ご参加いただける方は、準備の都合上、12月6日までにお申し込み下さい。


「東北関東大震災物故衆生月忌追悼法要」

12月11日(木)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から3年9ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は福島の子どもたちの沖縄での保養プロジェクトや放射能市民測定室での甲状腺 の検診プロジェクトに取り組む「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。


「中野 亘 陶展」
『白の呼吸』

12月12日(金)〜18日(木)

午前10時〜午後5時

於 南書院

〜樹々のあいだを静かに流れ 音にならない息が水面をわたる〜

亘陶房

滋賀県東近江市糠塚町188  Tel.0748-24-0882


「『法華経入門』(菅野博史著・岩波新書)を読む」
第4回

12月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は別に800円が必要です。)


「第213回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

12月23日(火・祝)

午後3時〜6時

参加志納

準備の都合上、第3部にご参加の方はご予約下さい。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

第1部 午後3時 〜 3時半   おつとめ

                 本堂でご一緒に礼拝をいたします。

第2部 午後3時半〜4時45分  おはなし「対談『お寺の未来』」

                 松本紹圭(未来住職塾塾長)×梶田真章

第3部 午後5時〜6時15分   「歳末落語会」

                 出演:桂 鯛蔵

                    桂 千朝(私は名人と呼んでおります。梶田真章)

松本紹圭


1979年、北海道生まれ。本名、圭介。浄土真宗本願寺派光明寺僧侶。一般社団法人お寺の未来 代表理事。蓮花寺佛教研究所研究員。米日財団リーダーシッププログラムフェロー。東京大学文学部哲学科卒業。超宗派仏教徒のウェブサイト『彼岸寺』(higan.net)を設立し、お寺の音楽会『誰そ彼』や、お寺カフェ『神谷町オープンテラス』を運営。ブルータス「真似のできない仕事術」、TokyoSource「東京発、未来を面白くするクリエイター、31人」、週間東洋経済「U40大図鑑」等、多数メディアに取り上げられる。2010年、ロータリー財団国際親善奨学生としてインド留学、Indian School of BusinessでMBA取得。2012年、若手住職向けにお寺 の経営を指南する「未来の住職塾」を開講。200名を超える意識の高い若手僧侶が「お寺から日本を元気にする」志のもとに各宗派から集結し学びを深めている。2013年、世界経済フォーラム(ダボス会議)のYoung Global Leaderに選出される。著書多数。近著に『お寺の教科書〜未来の住職塾が開く、これからのお寺の100年〜』(徳間書店)。著書に『おぼうさん、はじめました。』『“こころの静寂”を手に入れる37の方法』 『お坊さん革命』『お坊さんが教えるこころが整う掃除の本』『脱「臆病」入門』 『お寺の教科書』など。


「2014年 法然院サンガ 歳末懇親会」

12月23日(火・祝)

午後6時半(午後6時15分から受付)

どなたでもご参加いただけますが、ご予約が必要です。

参加料 2000円

各自、交換用の贈り物(予算ご自由)を一品ご持参下さい。

差し入れも歓迎いたします。

ご参加いただける方は、準備の都合上、法然院サンガへ12月20日までに必ずご予約下さい。


「除夜の鐘」

12月31日(水)

午後11時半〜

参詣者に一つずつ鐘を撞いていただき、年を越します。

参加志納

於 鐘楼

お申し込み不要です。先着順にお並び下さい。

長時間お並びいただきますので防寒にご留意下さい。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

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