法然院サンガ: 262

法然院サンガからのご案内

N-0262-J

平成26年 8月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 猛暑お見舞い申し上げます。蓮池では17本の廬山白蓮(ろざんびゃくれん)の花茎が伸びて既に13輪の花が開きました。本尊前の須弥壇上には二十五輪の木槿(むくげ)を毎朝並べる日々が続いています。皆様方には、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。今年も7月27日(日)〜30日(水)の4日間に亘り100名を超える達人・案内人・ボランティアスタッフ・経済的支援者の皆様方のご協力によって「善気山遊びの寺子屋〜おてらで なんか やったはる〜」を開き(12回目です)、境内は子どもたちの真剣な眼差しと笑顔、時折の泣き声に包まれました。ご参加下さった皆様方に心より御礼を申し上げます。

 第二次世界大戦で死ぬことを余儀なくされた方々を追悼し、非戦の誓いを新たにする8月を迎えます。当院では長らく鐘を撞くことでこの願いを表してまいりました。今年も8月6日の午前8時15分、8月9日の午前11時2分、8月15日の正午に鐘を鳴らします。皆様方も「南無阿弥陀佛」「南無妙法蓮華経」真言など大切にされている言葉と共に其々の場所でお祈り下さい。

 昨年5月21日〜23日に「遊心会『平泉・陸中海岸 祈りの旅』」を実施し、岩手県平泉町の中尊寺と毛越寺・花巻市の宮沢賢治記念館・遠野市の遠野ふるさと村・釜石市根浜海岸・大槌町の大念寺と江岸寺・宮古市浄土ヶ浜を訪ねましたが、今年は6月16日(月)〜18日(水)に「第70回 遊心会『いわき市・南三陸町 祈りの旅』」を実施し、福島県いわき市、宮城県松島町、宮城県南三陸町などを訪ねました。いわき市では子どもたちへの放射能の影響を心配されている保護者の方と気にされていない親御さんとの間で共有できないわだかまりが広がっているようでした。宮城県の海岸沿いでは地域によって復旧のスピードに差があることを実感いたしました。津波で多数の児童や教職員が亡くなられた石巻市立大川小学校の前では車中からでしたが念佛を手向けました。その他、いわき市の願成寺阿弥陀堂(通称・白水阿弥陀堂)と阿弥陀寺、松島町の円通院、南三陸町の上山八幡宮と荒島を目前に臨む砂浜などで、東日本大震災 物故衆生 追悼の念佛を唱えました。今後も被災者・被災地に関わらせていただこうと思います。

 御本尊に供えられた菓子や果物のお下がりを貧困家庭におすそ分けする「お寺おやつクラブ」〔超宗派佛教徒によるインターネット寺院『虚空山彼岸寺』の活動の一環として始まった取り組みです〕にも協力しておりますので、御家庭で余っている食品〔菓子・果物・海苔・醤油・油など〕をお届け下されば有効に活用させていただきます。ご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。

 東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から2年以上が経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全には年間500万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして29年近く、この間の想いを同人誌『連続無窮』第10号(1200円)に、一昨年3月11日の東北地方太平洋沖大地震、福島第1原子力発電所の事故以降半年間の想いを同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、昨年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に、「黙祷」という習わしが広まっていることについての念佛者としての想いを同人誌『連続無窮』第13号(1200円)に、私の話を聞いて下さる皆様方との対話の様子について同人誌『連続無窮』第14号(1200円)に、書くことと語ることについての想いを同人誌『連続無窮』第15号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。合掌 梶田真章


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座 佛教で生きる」

 8月 6日(水)、 9月 3日(水)

午前10時半〜正午

講師:梶田真章

 8月 6日  「戒律と戒名について」

 9月 3日  「念佛・題目・真言」 

於 朝日カルチャーセンター京都(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料はお問い合わせ下さい。

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-231-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「釈 徹宗著『宗教は人を救えるのか』を読む」
第1回

 8月 7日(木)

午後1時半〜3時45分

参加料 志納

於 本坊

序章「成熟社会ゆえの期待と苦悩」を題材に語り合います。ご参加いただける方はテキスト(角川SSC新書、900円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「LOTUS POSITION 公演〜全国学生邦楽フェスティバル前夜祭〜」

 8月 8日(金)

午後6時(午後5時半開場)

於 庫裏玄関

出演


小●明人(あきひと)(尺八)×堀越 彰(ドラム・パーカッション)


ゲスト


関口シンゴ(ギター)

参加料:前売 2500円、当日 3000円、学生 2000円

ご予約・お問い合わせは小●(おばま)さん(Tel.03-3867-8303 http://bit.ly/1fXOHy2)まで

LOTUS POSITION:尺八とドラムによるDUOユニット。日本の古典音楽や伝統的な様式美をモチーフにした二人のオリジナル曲を中心に予測不可能な即興演奏で独創的な世界を創り上げている。


「東北関東大震災物故衆生月忌 並びに 盂蘭盆追悼法要」

 8月11日(月)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から3年5ヶ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は福島の子どもたちの沖縄での保養プロジェクトや放射能市民測定室での甲状腺 の検診プロジェクトに取り組む「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。


法話「お盆のこころ〜『佛説盂蘭盆経』を読む〜」

 8月16日(土)

午後1時半〜3時

講師:梶田真章

参加志納

於 本坊


「『法然入門』(阿満利麿(あまとしまろ)著(ちくま新書)を読む」
第8回
(最終回)

 8月21日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納

テキストをお持ちでない方は別に700円が必要です。


「地蔵盆(じぞうぼん)おつとめ」

 8月24日(日)

午後2時

参加 志納

於 本堂

参詣者が輪になって大きな数珠を回しながら『南無地蔵大菩薩』と唱え、お地蔵さまの徳を讃えます。 午後3時からは大道芸をお楽しみ下さい。お子さま連れで多数ご参詣下さい。勿論、大人の方のみの ご参詣も歓迎いたします。ご参加いただける方は8月20日までに法然院サンガまでお申込み下さい。


「第209回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 8月26日(火)

午後3時〜5時45分

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部 午後3時〜3時半       おつとめ

                   本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部 午後3時半〜4時半      おはなし

                   「『無量寿経』〜法蔵菩薩の誓願〜」 梶田真章

第3部 午後4時45分〜5時45分  怪談を聴く    朗読:まつむら眞弓さん

                   テレビの時代劇やドラマに出演されている
                   女優のまつむら眞弓さんの朗読と
                   撮影所での裏話を聴きます。


「釈 徹宗著『宗教は人を救えるのか』を読む」
第2回

 9月 4日(木)

午後1時半〜3時45分

参加料 志納

於 本坊

第1章「各宗教は『老い』の苦しみをどうとらえているのか」を題材に語り合います。 ご参加いただける方はテキスト(角川SSC新書 900円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「銀河の彼方への旅」
朗読音楽劇『銀河鉄道の夜』

 9月 6日(土)

午後6時半(午後5時半開場)

於 方丈

      原作:宮澤賢治

      脚本・演出:志摩欣哉

      音楽:「劇団ふたごぼし」

      組曲「銀河鉄道の夜」作詞&作曲・劇団ふたごぼし 上村美智子&日高由貴

キャスト


      ジョバンニ:植田聖子

      カンパネルラ:北山阿梨

      先生:ひふみようこ

      ナレーション:高瀬祥代

      少年ケンジ:いけだなおみ

      カンパネルラの父:大山俊郎

      ブドリ:青木一真

      車掌:松田洋子

      学者:香川花子

      助手:糸井 嘉

      その他:ザネリ・生徒1・2

参加料:前売 2000円、当日 2500円

予約お申し込み先 朗読企画「でくの工房」・志摩欣哉

E-mail:70deku-no.koubo56@ezweb.ne.jp Tel.090-1248-4679


「古希記念 鴨嶋光武(能面)・富子(自由画)二人展」

 9月12日(金)〜16日(火)

午前10時〜午後4時

無料

於 講堂


“ときのあとさき”
「mama!milk 演奏会」

 9月13日(土)

午後5時35分開演(午後4時35分開場)

於 方丈

午後4時35分より ティーサロン graf tea salon、茶事:川西万里(graf)

出演


               生駒祐子(アコーディオン)

               清水恒輔(コントラバス) 

参加料 3500円

ご予約・お問い合わせ E-mail: HYPERLINK "mailto:atosaki@idolatry.name" atosaki@idolatry.name

8月13日よりご予約が可能となります。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

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