法然院サンガ: 257

法然院サンガからのご案内

N-0257-J

平成26年 3月 2日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 2月8日の積雪では湿った雪の重みで崖の椿が倒れて電線に引っ掛かり、伐採を余儀なくされたり、竹藪では多くの竹が倒れる事態となりましたが、朝晩の寒さの中にも日中には春の光が感じられ、境内では少しずつ椿の花が増えてまいりました。インフルエンザが流行っているようでございますが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。余寒お見舞い申し上げます。

 東北地方太平洋沖地震と大津波、福島第一原子力発電所の事故から2年以上が経ちますが、まだ大震災後ではなく大震災真只中の日本です。原子力発電は、たとえ発電所における事故がなくとも、ウラン採掘によりオーストラリアの先住民の居住地など鉱山周辺の大地を汚染し、発電所で働く作業員の方々に放射線による被曝を日常的に強い、膨大な時間に亘って廃棄できない放射能汚染物質を管理し続けなければならないという、人類を含め、地球上の生き物とは共存できない事業です。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施<法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う等)・無畏施(安心を与える)>に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。

 社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。本年も心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全には年間500万円以上かかりますので広く御寄付を募っております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして29年近く、この間の想いを同人誌『連続無窮』第10号(1200円)に、一昨年3月11日の東北地方太平洋沖大地震、福島第1原子力発電所の事故以降半年間の想いを同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に、昨年3月14日の京都水族館開業についての想いを同人誌『連続無窮』第12号(1200円)に、「黙祷」という習わしが広まっていることについての念佛者としての想いを同人誌『連続無窮』第13号(1200円)に、私の話を聞いて下さる皆様方との対話の様子について同人誌『連続無窮』第14号(1200円)に、書くことと語ることについての想いを同人誌『連続無窮』第15号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。合掌 梶田真章


「東日本大震災復興支援企画」
第6回イーハトーブ・プロジェクトin京都
中所宜夫『中尊(ちゅうぞん)』(能楽らいぶ)

 3月 2日(日)

午後6時(午後5時半開場)

シテ:中所宜夫(なかしょのぶお)

ワキ:安田 登         

於 本堂

参加費 2000円(必ず下記に電話にてご予約下さい)

お問い合わせは、アートステージ567まで

Tel.075-256-3759 12時〜18時 月曜休


「中村桂子著『科学者が人間であること』を読む」
第5回

 3月 6日(木)

午後1時半〜3時45分

参加料 志納

於 本坊

第5章 新しい知への道〜人間である科学者がつくる〜 を題材に語り合います。

ご参加いただける方はテキスト(岩波新書、800円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「日本画年鑑30周年記念展」

 3月 9日(日)〜16日(日)

午前10時〜午後5時(最終日は午後4時閉場)

参加 無料

於:鹿ケ谷 法然院 講堂、安楽寺 椛(もみじ)、ギャラリー花いろ、ギャラリー高野

関連企画


「パネルディスカッション ベテラン日本画家が語る
『京都の自然・建築・生活様式と日本画』」

 3月15日(土)

午後2時(受付:午後1時〜)

登壇者:竹内浩一、森田りえ子、梶田真章

参加料 2000円(定員:100名)

狩野光信と堂本印象の襖絵鑑賞もできます。

お問い合わせ・お申し込みは、(株)マリア書房 日本画年鑑30周年記念展 係まで

法然院サンガでは受付できません。

E-mail:info@mariashobo.jp Tel.075-432-1201 Fax.075-441-2923


「世界遺産と都市開発を考える」
〜哲学の道ニチレイ保養所跡地開発計画を問う〜

 3月 9日(日)

午後2時〜4時

於 本坊

  第1部 講演

      宗田好文(京都府立大学環境デザイン学科教授)

  第2部 パネルディスカッション

      宗田好文、飯田 昭(弁護士)、梶田真章

主催:世界遺産と都市開発を考えるシンポジウム実行委員会 担当窓口

Tel.075-761-9244

参加無料


「東北関東大震災物故衆生4回忌追悼法要」

 3月11日(火)

午前11時

参加 志納

於 本堂

「東北関東大震災の被災地に向けて追悼と希望の鐘を鳴らす」

 3月11日(火)

午前11時45分

参加 志納

於 鐘楼

ご参詣の皆様方に一打ずつ鐘を撞いていただきます。

地震発生から3年。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。志納されたお金は「未来の福島こども基金」へ寄付させていただきます。上記の行事にご参加の方々には粗餐を呈上いたしますので、準備の都合上、ご参加いただける方は事前に法然院サンガまでお申し込み下さい。                              合掌

「お坊さんと一緒に未来の話をしよう」

 3月11日(火)

午後1時半〜4時

参加無料

於 本坊

震災真只中の今、お坊さんと共に未来を語り合いましょう。

「第2回 まちづくり市民塾」

 3月11日(火)

午後6時半

参加無料

於 本坊

1、「ドイツのまちづくり・都市計画に学ぶ〜樹木保存を中心に〜」

    講師:水原 渉(滋賀県立大学名誉教授)

2、「市民参加の森の保全〜観察の森づくりの事例から〜」

    講師:久山慶子(法然院森のセンター事務局長)

主催:京都・まちづくり市民会議

Tel.075-801-2308 Fax.075-812-4149 E-mail:m-tsuji@labor.or.jp


「竹あかり展示会〜竹と遊ぶ〜」

 3月11日(火)〜3月16日(日)

午前9時〜午後4時

無料

於 本坊

京都の竹林再生での間伐材を活用し竹筒に
色々な模様や文字を彫りこんでおります。

主催:京都竹と遊ぶ会
(旧:竹と藤)


「善導大師(613〜681)1334回忌法要」

 3月14日(金)

午前11時

中国浄土教の大成者で、法然上人が「偏(ひとえ)に善導一師に依る」と仰がれた善導大師のご命日に当たり、法要を厳修いたします。粗餐呈上いたします。

準備の都合上、ご参詣いただける方は、3月11日までに電話、ファックス、E-mailでお申し込み下さい。


「第4回 善気山文化塾『だれかの〈代わりに〉ということ』」

 3月16日(日)

午後3時〜5時(午後2時半開場)

於 本坊

お話:大谷大学教授、仙台メディアテーク館長、臨床哲学者 鷲田清一 先生

参加料 一般:1000円 大学生:500円 高校生以下:無料

定員 80名

ご予約の方で満席の場合、当日はご参加を御断りすることがございます。

ご予約は法然院サンガまで


「第27回 お寺で楽しく考古学」
『紀記神話の謎を探る〜高天原とアマテラス〜』

 3月18日(火)

午後7時〜9時

講師:佐古和枝(関西外国語大学教授)

於 本坊

伊勢神宮の式年遷宮の年は過ぎましたが、「『アマテラスとは、どんな神様なのか? 伊勢神宮とは? 出雲の神々との 関係は?』」など紀記神話から考えてみます」(佐古先生より)とのことです。皆様のご参加をお待ち申し上げております。

参加料 1000円


あまとしまろ         
「『法然入門』(阿満利麿著、ちくま新書)を読む」
第3回

3月20日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納

テキストをお持ちでない方は別に700円が必要です。

「佛教書を読む集い」では2010年11月から「法然上人のお言葉」を読んだ後、2011年5月から「阿満利麿著『親鸞』」、2012年1月から「横山紘一著『阿頼耶識の発見〜よくわかる唯識入門〜』」、2012年9月から「三枝充悳著『仏教入門』」を読ませていただきました。2年半ぶりに改めて専修念佛の元祖、法然上人の教えを学んでおります。ご参加をお待ち申し上げております。

                                合掌 梶田真章


「第25回 ちおん舎・新・染屋町寄席」

 3月21日(金・祝)

午後7時(午後6時半開場)

於 ちおん舎

京都市中京区衣棚通(烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側

Tel.075-221-7510

出演


桂ちょうば   「貧乏神」他

桂わかば          

月亭太遊          

参加料 ご予約:1700円、 当日:2000円

お問い合わせ・ご予約は法然院サンガまで


「第204回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 3月26日(水)

午後3時〜6時

ご予約不要です。

参加志納

於 本坊

第1部 午後3時 〜 3時半       おつとめ

                     本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部 午後3時半 〜 4時半      おはなし

                     「『般若経』〜一切は空〜」梶田真章

第3部 午後4時45分〜午後6時     おはなし

                     「盆栽について」盆栽研究家・川崎仁美


「七絃琴会」
琴弾奏:伏見无家(むか)

 3月29日(土)

午後5時

参加費:2000円

於 大書院

演奏曲目


古交行、瀟湘水雲、梅花三弄、離騒 等

主催、お問い合わせ:疇祉琴社 伏見无家

Tel.090-1215-6597 e-mail:fushimi.rose@orange.zero.jp


「第14回 おち椿の会」
八橋検校 生誕400年記念
『検校が作った曲 弾いた曲 後代に借用された曲を聞く』

3月30日(日)

午後4時半(午後4時開場)

於 本坊

曲目


六段の調、ほととぎす、琉球組、雪の晨、揺上(ゆりかん)、菜蕗組・夕べの雲

箏・三絃:萩岡未貴・渡辺岡華・池上眞吾(東京)、菊央雄司(大阪)、林 美恵子(京都)

柳川三味線:林 美音子(京都)

尺八:岡田道明(京都)


解説:久保田敏子(京都市立芸術大学名誉教授)

参加料(お茶菓子付)御予約:2500円 当日:3000円 大学生:1500円

高校生以下:無料 未就学児は不可

ご予約は法然院サンガまで


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

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E-mail: Byakurenja@aol.com