法然院サンガ: 233

法然院サンガからのご案内

N-0233-J

平成24年 2月28日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 余寒お見舞い申し上げます。2月12日〜14日まで、日本学術会議の公開シンポジウムに招かれ、初めて屋久島に行ってまいりました。樹齢千年以上の多くの屋久杉を拝み、ヤクシカやヤクザルに出会いました。屋久島でも人里にヤクシカやヤクザルが頻繁に現れて作物に被害が出ているようですが、東北地方太平洋沖地震から1年近く経ってもなお大震災真只中の日本にあって、水力発電で消費電力を賄いながら人と他の生き物が共存する屋久島に安らぎを覚えました。私は、福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。被災地では、御遺体が発見されない、御遺体の身元が確認できない、死後被曝で永久に御遺体を収容できない、墓が建てられないなどの非常事態が続いておりますが、正にこのような時こそ、阿弥陀佛は震災で他界された方々や犬・猫・牛・水族館の魚たちなど、生きとし生けるものを極楽にお迎え下さり、成佛へとお導き下さっていることを『南無阿弥陀佛』を唱えつつ信心していただきたく存じております。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして27年余り、この間の想いを、同人誌『連続無窮』の第10号(1200円)に、また3月11日の大地震以降半年間の想いを、同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。
                          合掌 梶田真章


「阿満利麿著『行動する仏教〜法然・親鸞の教えを受けつぐ〜』を読む」
第6回(最終回)

 3月 1日(木)

午後1時半〜3時45分

全体 を題材に語り合います。

於 本坊

参加料 志納

ご参加いただける方はテキスト(1000円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「第15回 梅小路公園の未来を考える会」
〜みんなでアイディアを出し合い、より魅力的な梅小路公園へ〜

 3月 1日(木)

午後7時〜9時

於 本坊

オリックス不動産(株)の経営による梅小路公園の『京都水族館』の開業(3月14日)が迫ってまいりました。2009年6月以来、梅小路公園の望ましい未来を考え続けてきた当会では、オリックス不動産(株)、京都市、オリックス不動産(株)と学術交流協定を締結している京都大学野生動物研究センターに意見書を提出いたします。そこで今回の考える会では、意見書の内容を参加者で考えるワークショップを行います。皆さまのご参加をお待ちいたしております。ご参加いただける方は、予め意見書に入れたい内容を考えて来ていただければ幸いです。合掌 梶田真章


「第80回 ふろしきトーク」

 3月 2日(金)

午後6時半〜8時半

於 本坊

●「いけばなパフォーマンスとおはなし『花のこころ、花に聴く』」

    講師 笹岡 隆甫 さん(未生流笹岡家元)

●ふろしきワークショップ「ふろしき花包み」

    森田 知都子(ふろしき研究会 代表)

●参加者全員で作る、ふろしき創作花「春咲き花」

    3月11日から1年、明日への希望を託し、花をふろしきで作ります。

●ふろしきフリーマーケットなども開催

参加料  会員の方 800円  一般の方 1000円

お問い合わせ・お申し込み:Tel.075-432-2722 Fax.075-432-3832 E-mail:rsj57767@nifty.com

URL http://homepage3.nifty.com/furoshiki/


「朝日カルチャーセンター中之島教室 公開講座」
「山極寿一(霊長類学者、京都大学大学院理学研究科教授)×梶田真章」
『自然・文明・環境〜3・11後を生きる〜』

 3月 5日(月)

午後6時半〜8時

於 朝日カルチャーセンター中之島教室(大阪市北区中之島 朝日新聞ビル5階)

受講料 3,465円

お申し込みは朝日カルチャーセンター大阪(Tel.06-6222-5222)へ


「第39回 法然院 夜の森の教室」
『語りづらさと聴きづらさ〜東北の震災から一年経って〜』

 3月 7日(水)

午後7時〜9時(午後6時半開場)

於 本坊

お話:大谷大学教授、臨床哲学者 鷲田清一(わしだきよかず)先生

参加料

一般:1000円、高校生以下:無料

定員 80名

ご予約の方で満席の場合、当日はご参加を御断りすることがございます。

ご予約は法然院サンガまで


「平成23年度 京都市国民健康保険 健康づくり講演会
『けんこう新発見!もっと元気に!』

 3月 8日(木)

午後1時半〜4時15分(午後1時開場)

於 京都会館第2ホール

   第1部

      「生涯現役!目からうろこの生活改善法〜運動と食事の実践〜」

       講師:森谷敏夫(京都大学 人間・環境学研究科教授)

   第2部

      「こころ豊かに生きる 〜愛と慈悲〜」

       講師:梶田 真章

事前のお申し込みは不要です。

定員 700名(先着順)

入場無料

お問い合わせ:京都市保健福祉局生活福祉部保険年金課 (Tel 075-213-5862 Fax 075-213-5857)


「東北関東大震災一周忌 物故衆生追悼と、被災者に心を寄り添わせる集い」

 3月11日(日)

午後1時半〜6時

於 本坊

当院では昨年3月11日の東北地方太平洋沖地震以降、毎月11日に追悼法要を勤めてまいりました。 参加料は志納です。ご都合のよい時刻から御参加下さい。

午後1時半

      「東北関東大震災 一周忌 物故衆生 追悼法要」

       於 本堂

午後2時半

      「被災地に向けて追悼と希望の鐘を鳴らす」

       ご参詣の皆様方に一打ずつ鐘を撞いて頂きます。

       於 鐘楼

午後3時

      「追悼演奏」

       Symbiosis(シンビオシス)

       ソプラノサックス・笛:山本公成、筑前琵琶:片山旭星

       於 本坊

午後4時15分〜6時

      「対話の時間」

      参加者が現在の想いと今後の被災者支援のあり方について語り合います。


「善導大師(613〜681)1332回忌 法要」

 3月14日(水)

 午前11時

中国浄土教の大成者で法然上人が師と仰がれた善導大師のご命日に当たり、1332回忌の法要を厳修いたします。粗餐呈上いたします。準備の都合上、ご参詣いただける方は、3月10日までに電話、ファックス、E-mailでお申し込み下さい。


「『阿頼耶識(あらやしき)の発見〜よくわかる唯識(ゆいしき)入門〜』
(横山紘一著、幻冬舎新書)を読む」
第3回

 3月15日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に750円が必要です。)


「お箏体験」楽しく『さくら』を弾きましょう
「第12回おち椿の会『小町づくし〜地歌箏曲を次世代に伝える〜」

 3月24日(土)

午後4時〜5時

参加無料

小中高校生、大学生の方、大歓迎。

午後5時半(午後5時開場)

於 本坊

プログラム


七小町、今小町、関寺小町、

扇尽くし、声明「初夜礼讃」(六段の調べにのせて)

箏・三絃:池上眞吾、伊藤志野、菊央雄司、富緒清律、林 美恵子

柳川三味線:植梶寿子・椙村 恵・林 美音子

尺八:岡田道明

声明:梶田真章

解説:久保田敏子(京都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター所長)

参加料

御予約:2500円 当日:3000円 大学生:1500円 高校生以下:無料

ご予約は法然院サンガまで


「第31回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『正信偈』(親鸞聖人作)を読む
その6

 3月25日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分

            念佛一会(いちえ)

            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半〜6時

            講話会

            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


「朝日カルチャーセンター京都 公開講座」
春の法然院で聴く
『お墓、仏壇、戒名について学びましょう』

 3月26日(月)

 午前10時半〜午後1時

講師:梶田真章

精進料理の昼食付

参加料:5040円

お申し込みは、朝日カルチャーセンター京都[Tel.075-231-9693]まで


「第168回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 3月26日(月)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部 午後3時〜3時半

            おつとめ

            本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部 午後3時半〜4時15分

            おはなし

            「一遍聖人の佛教」梶田真章

第3部 午後4時半〜6時

            お寺で楽しく考古学
            「『古事記』を楽しむ」

            お話:関西学国語大学教授 佐古和枝さん


「春季 伽藍内特別公開」

 4月 1日(日)〜 7日(土)

午前9時半〜午後4時

文化財保存協力料 500円

方丈の重要文化財の襖絵、大書院の龍の襖絵、見頃の中庭の三銘椿(花笠椿・貴(あて)椿・五色散椿)などをご鑑賞下さい。随時、法話もいたしております。法話の時刻は毎日変わります。ご聴講ご希望の方は当日の朝に時刻をお問い合わせ下さい。
                                       合掌


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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お問い合わせ

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