法然院サンガ: 232

法然院サンガからのご案内

N-0232-J

平成24年 2月 1日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 厳しい冬になりました。冷え込む日々が続いておりますが、立春も間近、境内では蝋梅(ろうばい)が満開です。いかがお過ごしでいらっしゃいますか、寒中お見舞い申し上げます。東北地方太平洋沖地震から11ケ月近く経ちましたが、まだ東北地方太平洋沖地震以前の日常を取り戻された方は少なく、震災真只中の日本です。私は福島第一原子力発電所の事故以降、原子力発電所の無かった日本に戻ることに明日への希望を見出したいと思います。先月に引き続き、私の敬愛する詩人、ななお さかき さん(1923.1.1〜2008.12.23)が、1988年9月に北海道で作られた詩を以下にご紹介いたします。

星を喰べようよ

ほんとだよ 子供たち
神様は 飛行機のために 空をつくり
観光客のために サンゴ礁をつくり
農薬のために 畑をつくり
ダムのために 川をつくり
ゴルフ場のために 森をつくり
スキー場のために 山をつくり
動物園のために けものたちつくり
交通事故のために 自動車つくり
幽霊が踊るよう 原子力発電所つくり
ロボットが踊るよう 人間をつくった
子供たちよ 大丈夫
井戸は 涸れない
ごらん 夕焼けだ
畑に 向日葵
空に 赤とんぼ
誰かが 歌い出す
星を 喰べようよ

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。被災地では、御遺体が発見されない、御遺体の身元が確認できない、死後被曝で永久に御遺体を収容できない、墓が建てられないなどの非常事態が続いておりますが、正にこのような時こそ、阿弥陀佛は震災で他界された方々や犬・猫・牛・水族館の魚たちなど、生きとし生けるものを極楽にお迎え下さり、成佛へとお導き下さっていることを『南無阿弥陀佛』を唱えつつ信心していただきたく存じております。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院

 法然院をお預かりして27年余り、この間の想いを、同人誌『連続無窮』の第10号(1200円)に、また3月11日の大地震以降半年間の想いを、同人誌『連続無窮』第11号(1200円)に書かせていただきました。ご一読賜れば幸いでございます。
                          合掌 梶田真章


「朝日カルチャーセンター京都公開講座 佛教に親しむ『佛教の歴史』」

2月1日(水)、2月29日(水)、3月7日(水)

午前10時半〜正午講師:梶田真章

           2月 1日「お釈迦さまの佛教」

           2月29日「根本佛教と大乗佛教」

           3月 7日「中国佛教〜宗派の成立〜」

於 朝日カルチャーセンター京都(河原町通三条上ル東側 京都朝日会館8階)

受講料 8,190円(3回)

お申し込みは朝日カルチャーセンター京都(Tel.075-232-9693)へ

インターネット予約 http://www.asahi-culture.co.jp


「阿満利麿著『行動する仏教〜法然・親鸞の教えを受けつぐ〜』を読む」
第5回

 2月 2日(木)

午後1時半〜3時45分

第5章 「『末世』のただ中で」 を題材に語り合います。

於 本坊

参加料 志納

(ご参加いただける方はテキスト(1000円)をご購入の上、事前に第5章をお読み下さい。)


「第30回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『正信偈』(親鸞聖人作)を読む その5

 2月 5日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)
            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半 〜 6時  講話会
            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌  梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


「たまるまちこのイス展と 故しげるのおもいで展」

 2月 5日(日)〜12日(日)

午前10時〜午後4時

於 講堂

無料


「第47回 京仏檀・仏具展」

 2月10日(金)、11日(土・祝)、12日(日)

午前10時〜午後 5時

於 京都市勧業館みやこメッセ

内容


仏檀の解体・組立実演、京仏檀・仏具展示コーナー、
京の職人工房 実演コーナー・体験コーナー(無料)他

辻説法


   10日(金) 午後1時〜1時半、2時〜2時半

          「祈りの心」 日蓮宗 法華寺住職 杉若恵亮

   11日(土) 午後1時〜1時半、2時〜2時半

          「仏教で生きる〜愛と慈悲〜」 梶田真章

   12日(日) 午後1時〜1時半、2時〜2時半

          「念仏と救い」 真宗大谷派 浄慶寺住職 中島浩彰

仏檀・仏具に御関心の無い方も説法をお聞き下さい。入場無料です。


「東北関東大震災 物故衆生 月忌(がっき)追悼法要」

 2月11日(土)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から11カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。 志納されたお金は被災者支援のため、「サンガ岩手」へ寄付させていただきます。 合掌


「涅槃会(ねはんえ)」

 2月15日(水)

午前10時半

事前申込制

於 本堂

お釈迦さまの入滅を偲び、本堂に涅槃図を掲げて法要を厳修し、経蔵の釈迦如来像に参拝いたします。あと、粗餐呈上いたします。準備の都合上、ご参詣いただける方は2月13日までに必ずお申し込み下さい。 合掌


「『阿頼耶識(あらやしき)の発見
〜よくわかる唯識(ゆいしき)入門〜』(*)を読む」
第2回

(*)横山紘一著(幻冬舎新書)

 2月16日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に750円が必要です。)

唯識とは、『西遊記』で知られる玄奘三蔵がインドから中国に伝えた佛教思想の根本。それは「人生で起こるどんなことも、心の中の出来事にすぎない」という教えであり、執着や嫉妬、怒り、絶望、失敗はすべて心の深層部の仕業だと説く。難解な唯識思想について数多くの入門書を著されている横山先生の本を題材にご一緒に学びましょう。


『風の布・パピヨン』
「〜染めっこ、縫いっこ、お茶っこ。三陸の人達との9カ月〜」

 2月18日(土)

午後2時半〜4時半

於 本坊

風工房を主宰されている染めのおっちゃん、齋藤 洋さんによる被災者支援の報告会です。

参加費は無料ですが、会場で被災者支援のお志を集めさせていただきます。


「第179回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

2月26日(日) 午後3時〜5時45分

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

午後 3時 〜 3時半       おつとめ

                  本堂でご一緒にお経を唱えます。

午後 3時半〜 4時半       おはなし

                  「親鸞聖人の佛教」    梶田真章

午後4時45分〜5時45分     落語会

                  出演:桂 米紫(べいし)さん

桂 米紫


1974(昭和49)年、   京都市生まれ。

1994(平成 6)年 3月、桂 都丸(現:塩鯛)に入門(芸名:とんぼ)。

1997(平成 9)年 3月、都んぼに改める。

1999(平成11)年、   NHK新人演芸大賞落語部門受賞。

2005(平成17)年、   第42回なにわ芸術祭奨励賞受賞。

2009(平成21)年12月、文化庁芸術祭新人賞受賞。

2010(平成22)年 8月、サンケイホールブリーゼ桂塩鯛襲名披露公演にて、
               四代目桂米紫を襲名。

2010(平成22)年 8月14日、京都府立文化芸術会館にて四代目桂米紫襲名披露公演。


「阿満利麿著『行動する仏教〜法然・親鸞の教えを受けつぐ〜』を読む」
第6回(最終回)

 3月 1日(木)

午後1時半〜3時45分

全体 を題材に語り合います。

於 本坊

参加料 志納

ご参加いただける方はテキスト(1000円)をご購入の上、事前にお読み下さい。


「第80回 ふろしきトーク」

 3月 2日(金)

午後6時半〜8時半

於 本坊

●「いけばなパフォーマンスとおはなし『花のこころ、花に聴く』」

    講師 笹岡 隆甫 さん(未生流笹岡家元)

●ふろしきワークショップ「ふろしき花包み」

    森田 知都子(ふろしき研究会 代表)

●参加者全員で作る、ふろしき創作花「春咲き花」

    3月11日から1年、明日への希望を託し、花をふろしきで作ります。

●ふろしきフリーマーケットなども開催

参加料  会員の方 800円  一般の方 1000円

お問い合わせ・お申し込み:Tel.075-432-2722 Fax.075-432-3832 E-mail:rsj57767@nifty.com

URL http://homepage3.nifty.com/furoshiki/


「朝日カルチャーセンター中之島教室 公開講座」
「山極寿一(霊長類学者、京都大学大学院理学研究科教授)×梶田真章」
『自然・文明・環境〜3・11後を生きる〜』

 3月 5日(月)

午後6時半〜8時

於 朝日カルチャーセンター中之島教室(大阪市北区中之島 朝日新聞ビル5階)

受講料 3,465円

お申し込みは朝日カルチャーセンター大阪(Tel.06-6222-5222)へ


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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