法然院サンガ: 224

法然院サンガからのご案内

N-0224-J

平成23年 8月 2日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 本尊阿弥陀如来像の前の須弥壇(しゅみだん)上には二十五輪の木槿(むくげ)が並ぶ季節です。6月23日の未明に本堂正面向かい側の山の椎の大木(藤が巻き付いておりました)が倒れて周りの樹木も巻き込まれ、本堂と南書院の間の廻廊の屋根が少し損傷いたしました。未明の倒木で参拝者に被害が及ばなかったのは不幸中の幸いでございました。倒れた木の近くにも倒れれば本堂の屋根を損壊させる可能性のある樹木がございましたので、予防措置として7月中旬に4本の木を伐らせていただきました。7月27日(水)〜30日(土)までは今年も恒例となりました「善気山遊びの寺子屋〜お寺でなんかやったはる〜」を開かせていただき、子どもたちと共に大人の方々の笑顔にも出合えた4日間でした。ご参加、ご支援下さいました皆様方に心より御礼を申し上げます。いかがお過ごしでいらっしゃいますか? 酷暑の候、お見舞い申し上げます。

 地震や津波による直接の被害は文句を言うべき対象が無く、天災と諦めるより仕方がありませんが、地震や津波に伴う原子力発電所の事故による放射能汚染や風評被害などは、加害者と思われる批判すべき対象がある以上、人災として被害者が諦められないのも無理からぬことでしょう。しかし、受け入れがたい現実でも事実として諦めなければ(明らかに見なければ)、幸せだった過去を振り返られるばかりで、未来に期待して生きてゆくことは難しいかもしれません。原子力発電を推進する国と電力会社の政策によって便利な生活を謳歌してきた私どもは、福島県の方々を含め、ある意味では此度の原子力発電所の事故の加害者であり、また被害者でもあるのだと思います。現在、避難されている福島県の方々の苦しみには共感いたしますが、一方的にどちらかが加害者で、どちらかが被害者であるという意識が変わってゆかなければ、改めて国や電力会社の方々とも一緒に今後の日本を作ってゆこうという方には向かってゆかないでしょう。京都から出来ることは、私たちもこの不幸な状況を一緒に背負ってゆくという想いを特に福島県の被災者の方々に届けることだと思います。全国から「私も加害者です。あなたたちだけに苦しみを背負わせて申し訳ありません。」という心からの言葉が被災者の方々に届くことを願っております。

 サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界〔浄土〕である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。被災地では、御遺体が発見されない、御遺体の身元が確認できない、死後被曝で永久に御遺体を収容できない、墓が建てられないなどの非常事態が続いておりますが、正にこのような時こそ、阿弥陀佛は震災で他界された方々や犬・猫・牛・水族館の魚たちなど、生きとし生けるものを極楽にお迎え下さり、成佛へとお導き下さっていることを『南無阿弥陀佛』を唱えつつ信心していただきたく存じております。法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。

 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章

5月1日〜7日の「第1回『悲願会』」の期間中、
南書院に展示しておりました
山梨県在住の美術家、栗田宏一さんの作品
「『innocence』〜Hiroshima,Nagasaki,Fukushima,……〜」は
当院の所蔵品となりました。催しなどの際にご覧下さい。

 当院の伽藍の維持は檀信徒からの布施によってなされておりますが、境内の環境保全につきましては、広く御寄付を募っております。御寄付をいただいた方への特典は設けておりませんが「法然院サンガ賛助会員」として登録させていただき、折々にご案内を差し上げてゆきたく存じております。ご協力いただける方は、郵便振替用紙の通信欄に「寄付」とご記入いただき、お払い込み下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。

郵便振替口座番号:01050−4−60318
加入者名:本山獅子谷法然院


「鷲田清一著『わかりやすいは わかりにくい?〜臨床哲学講座〜』を読む」
第13回
第13章 わかりやすいはわかりにくい?
〜知性について〜

 8月4日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

主宰:梶田真章

参加料 志納
(初めての方はテキスト代として700円が必要です)


法話「お盆のこころ〜『佛説盂蘭盆経』を読む〜」

 8月7日(日)

午後1時半〜3時

講師:梶田真章

参加志納

於 本坊


「東北関東大震災 物故衆生 月忌(がっき)並びに初盆追悼法要」

 8月11日(月)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から5カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。
志納されたお金は被災者支援のため、「遠野まごころネット」へ寄付させていただきます。
                                        合掌


法話「お盆〜死者はお墓の下に?千の風に?〜」

 8月16日(火)

午後3時〜4時

講師:梶田真章

参加志納

於 本坊


「『親鸞』(阿満利麿著・ちくま新書)を読む」第4回

8月18日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納
(テキストをお持ちでない方は、別に700円が必要です。)

阿満先生の御著書の中でも御一読を特にお薦めしたい本です。

ご一緒に読んでまいりましょう。


  「西村大樹(だいき)展『誰そ彼』」

 8月20日(土)〜28日(日)

午前11時〜午後6時〔最終日は午後4時半まで〕

於 講堂

無料


 「法然院・夏の夜語り『小泉八雲・幽玄の世界』」

 8月20日(土)

午後6時(午後5時開場)

演目


   ◆「むじな」  朗読:松井秀幸、松井佳寿子

   ◆「雪女」   朗読:電脳語りライブよろずや

   ◆「おかめ」  朗読:中村幸恵、菊地朋美

   ◆「幽霊滝」  朗読:網干美樹

   ◆「耳なし芳一」朗読:羅紗庵朗読勉強会一同

     音楽:風雅(ピアノ、ギター、チェロ)

参加料 ご予約 1800円、当日 2000円

主催・ご予約・お問い合わせ:朗読企画「でくの工房」
Tel.090-1248-4679 E-mail:koubo-deku182@ezweb.ne.jp


「論楽社講座 言葉を紡ぐ(第99回―祝100回!)」
『平和を取り戻すこと』

 8月21日(日)

午後4時半〜6時半(午後4時開場)

お話:中村 哲 さん(医師・ペシャワール会 現地代表)

参加費 1000円

お申し込みが必要です。
お申し込みは、Fax.075-711-0334 論楽社まで


「地蔵盆(じぞうぼん)」

8月24日(水)

午後2時

「街頭紙芝居」

午後3時〜4時

古橋理絵さん

参加 志納

於 本堂

 佛・菩薩にはそれぞれの縁日(有縁日)があり、薬師如来は8日、阿弥陀如来は15日、観音菩薩は18日、大日如来・ 不動尊は28日と定められております。

 地蔵菩薩の縁日は24日で、特に8月(旧暦では7月)24日を地蔵盆と称し、年中行事の一つとして地蔵菩薩を讃え、感謝する法要を厳修します。参詣者が輪になって大きな数珠を回しながら『南無地蔵大菩薩』と唱え、お地蔵さまの徳を讃えます。

 お子さま連れで多数ご参詣下さい。勿論、大人の方のみのご参詣も歓迎いたします。法要終了後は、古橋理絵さんによる街頭紙芝居もお楽しみいただけます。

準備の都合上、ご参加いただける方は8月20日までに下記までお申込み下さい。

法然院 Tel.075-771-2420〔午前9時〜午後4時〕 Fax.075-752-1083〔24時間〕

地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

(梵語クシティガルバ)


 釈尊の入滅後、弥勒(みろく)佛の出生するまでの間、無佛の世界に住して六道 の衆生(しゅじょう)を教化・救済するという菩薩。像は、胎蔵界曼荼羅地蔵院の主尊は菩薩形に表されるが、一般には左手に宝珠、右手に錫杖(しゃくじょう)を持つ比丘(びく)形で表される。中国では唐代、日本では平安時代より盛んに信仰される。子安地蔵・六地蔵・延命地蔵・勝軍地蔵などもある。地蔵尊。(『広辞苑』第六版より)


 「第173回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

 8月26日(金)

午後3時〜5時半

参加志納

於 本坊

ご予約不要です。プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。

ご都合のよい時刻からご参加下さい。

第1部  午後3時〜3時半          おつとめ
                       本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部  午後3時半〜4時半         おはなし
                       「ご質問に答えて」梶田真章

第3部  午後4時45分〜5時45分     おんがく
                       出演者 未定


 「鷲田清一著『わかりやすいはわかりにくい?〜臨床哲学講座〜』を読む」  
 最終回

 9月1日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

全篇を振り返って

主宰:梶田真章

参加料 志納
(初めての方はテキスト代として700円が必要です)


「“ときのあとさき”mama!milk 演奏会」

 9月3日(土)

午後5時45分(午後5時開場)

於 方丈

出演:生駒祐子(アコーディオン)、清水恒輔(コントラバス)

参加料 3000円〔お茶券付〕、中学生以下 無料

ご予約・お問い合わせ
E-mail: HYPERLINK "mailto:atosaki@idolatry.name" atosaki@idolatry.name、
Tel.090-3651-9235

ご予約は8月3日から上記にて承ります。

インターネット予約  HYPERLINK "http://www.asahi-culture.co.jp" http://www.asahi-culture.co.jp


 「東日本大震災復興支援企画 第2回イーハトーブ・プロジェクト in 京都」

 9月4日(日)

午後6時(午後5時半開場)

於 本堂

「能『光の素足』今ここに賢治がいる」

能楽らいぶ:中所宜夫(観世流シテ方)

対談:中所宜夫 × 浜垣誠司

参加費 2000円(被災地への義援金となります)

ご参加のお申し込みはアートステージ567
Tel.075-256-3759、正午〜午後6時(月曜休)


「第28回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『正信偈』(親鸞聖人作)を読む その3

 9月11日(日)

午後3時〜6時

於 本坊、法然院森のセンター

  午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)

              本堂にて念佛を唱えます。

  午後3時半〜6時    講話会 

              書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
              後半は対話によって深めます。

  有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。

                                   合掌  梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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