法然院サンガ: 221

法然院サンガからのご案内

N-0221-J

平成23年 5月12日更新

法然院サンガ

 南無阿弥陀佛。

 境内の藤の花が盛りを迎えました。今年は見事です。5月1日から7日まで多数の皆様方のご参加をいただき、第1回「悲願会(ひがんえ)〜悲願に生きる菩薩行の実践〜」〔一切衆生の成佛を祈り、被災者に心を寄せ、被災地の復興に関わる決意を表し、今後の生き方について考える一週間〕を開かせていただき、法要、コンサート、ワークショップ、展示、慈悲市(バザー)などを執り行い、おかげさまにて参加料、志納金の合計は100万円を超えました。ありがとうございます。被災者を支援されている団体に寄付させていただきます。地震や津波による直接の被害は文句を言うべき対象が無く、天災と諦めるより仕方がありませんが、地震や津波に伴う原子力発電所の事故による放射能汚染や風評被害などは、加害者と思われる批判すべき対象がある以上、人災として被害者が諦められないのも無理からぬことでしょう。しかし、受け入れがたい現実でも事実として諦めなければ(明らかに見なければ)、幸せだった過去を振り返られるばかりで、未来に期待して生きてゆくことは難しいかもしれません。原子力発電を推進する国と電力会社の政策によって便利な生活を謳歌してきた私どもは、福島県の方々を含め、ある意味では此度の原子力発電所の事故の加害者であり、また被害者でもあるのだと思います。現在、避難されている福島県の方々の苦しみには共感いたしますが、一方的にどちらかが加害者で、どちらかが被害者であるという意識が変わってゆかなければ、改めて国や電力会社の方々とも一緒に今後の日本を作ってゆこうという方には向かってゆかないでしょう。京都から出来ることは、私たちもこの不幸な状況を一緒に背負ってゆくという想いを特に福島県の被災者の方々に届けることだと思います。全国から「私も加害者です。あなたたちだけに苦しみを背負わせて申し訳ありません。」という心からの言葉が被災者の方々に届くことを願っております。

サンガはサンスクリットで共同体を意味する言葉です。漢字では僧伽(そうぎゃ)と書き、これを略したのが僧です。従って元来の僧は出家者個人を表す言葉ではなく、佛教を信じ、実践する人々の集いを意味していました。ブッダ・佛(真理に目覚めた人)、ダルマ・法(真理・教え)、サンガ・僧の三宝を敬うことが佛教者の最も基本的な態度として定められておりますが、僧を敬うとは仲間を大切にすることを意味しているのです。800年前に法然上人(1133〜1212)は「どんな人間でも『南無阿弥陀佛』と唱えれば、一切の生きとし生けるものを佛に成らせようとする阿弥陀佛の本願の力(他力)によって阿弥陀佛が建立した清らかな世界(浄土)である極楽に往生(往き生まれること)し、阿弥陀佛のお導きによって悟らせていただくことができるから、『南無阿弥陀佛』と唱えて生きよ。」と教えられました。 信心を定めて『南無阿弥陀佛』と唱えるのではなく、『南無阿弥陀佛』と唱えていると信心が定まってゆくのです。 被災地では、御遺体が発見されない、御遺体の身元が確認できない、死後被曝で永久に御遺体を収容できない、墓が建てられないなどの非常事態が続いておりますが、正にこのような時こそ、阿弥陀佛は震災で他界された方々や犬・猫・牛・水族館の魚たちなど、生きとし生けるものを極楽にお迎え下さり、成佛へとお導き下さっていることを『南無阿弥陀佛』を唱えつつ信心していただきたく存じております。 法然上人の佛教では『南無阿弥陀佛』を唱えながら、この世で何を願い、如何に実践して生きてゆくのかは個々の意思に任されています。 世界では出口の無い戦い、痛ましい事件が続き、日本では未曾有の震災が発生しておりますが、お釈迦さまが説かれた縁起(生かされて生きている)という真理を実感し、心に余裕のあるときには慈悲(生きとし生けるものに対する分け隔ての無い大いなる友愛と心を寄り添わせる同情)の精神に基づいて、他人ではなく仲間とともに生きる社会であるという意識を持って、こだわらず、みかえりを求めず、生かされていることの感謝の表現として、出来るときに、出来る対象に、出来るかたちで、布施〔法施(佛教を説く)・財施(金品を差し出す)・無財施(柔和な顔、穏やかな眼差し、身体を他者のために使う 等)・無畏施(安心を与える)〕に代表される菩薩行を実践することを理想としつつ、煩悩にまみれ、善悪ではなく損得ばかり考えて生きている自己中心的な己の現実を見つめながら、法然院という場をお預かりし、信心の確立、学び、安らぎ、出会いの場として皆様方と集い、少しでも心豊かに暮らせる社会となりますよう、法然上人の教えの現代的意義を説いてまいりたく存じます。社会的役割を担って生きることが現代における生きがいとなっておりますが、寺は参っていただく処ではなく、会社では肩書があり、家に帰られても家での役割に押し潰されそうな時に、肩書や役割を外して帰って来ていただき、慈悲に溢れる佛と向き合い、楽になっていただく処です。心の潤いと糧の補給にお立ち寄り下さい、「阿弥陀さん、ただいま!」と。合掌。

                                法然院  梶田真章

5月1日〜7日の「第1回『悲願会』」の期間中、
南書院に展示しておりました
山梨県在住の美術家、栗田宏一さんの作品
「『innocence』〜Hiroshima,Nagasaki,Fukushima,……〜」は
当院の所蔵品となりました。催しなどの際にご覧下さい。


「東北関東大震災 物故衆生月忌(がっき)追悼法要」 

5月11日(水)

午前11時

参加 志納

於 本堂

地震発生から2カ月。追悼や復興への決意を何らかの形で表現されたい方はお集まり下さい。

志納されたお金は、被災地支援のため、「特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク」に寄付させていただきます。


「鷲田清一著『わかりやすいはわかりにくい?〜臨床哲学講座〜』を読む」
第10回
第10章 できなくなってはじめてできること?
〜弱さについて〜

5月12日(木)

午後1時半〜3時45分

於:本坊

主宰:梶田真章

参加料 志納(初めての方はテキスト代として700円が必要です)

『わかりやすいはわかりにくい?〜臨床哲学講座〜』をご一緒に読み、語り合います。どうぞご参加下さい。


「エチカ vol.8 語りと音楽 夢十夜」

5月14日(土)

午後6時45分(午後6時開場)

於 方丈

原作 夏目漱石「夢十夜」より 第一夜・第三夜・第四夜・第七夜・第十夜

語り:シコウ

音楽:池田一平(アコーディオン)

参加料 当日:2000円、前売り・学生・シルバー(65歳以上):1800円

ご予約・お問い合わせは、エチカ(電話 080-3355-7286 mail:info@ethica-voice.com)まで


「第26回 善気山専修(せんじゅ)念佛塾」
『正信偈』(親鸞聖人作)を読む その1

5月15日(日)

午後3時〜6時

午後3時〜3時20分  念佛一会(いちえ)

            本堂にて念佛を唱えます。

午後3時半 〜 6時  講話会

            書院にて阿満利麿先生のお話をお聴きし、
            後半は対話によって深めます。

有縁の皆様方のご参加を心よりお待ち申し上げております。合掌

梶田真章

参加料 1000円(当日、お納め下さい。)

お申し込み:電話、E-mailにて法然院まで。


「ITO SHINICHIRO 仏画・墨彩画展」

5月17日(火)〜22日(日)

午前10時〜午後4時

無料

於 講堂

連絡先 〒616-8003 京都市右京区龍安寺池ノ下町10−10
Tel.075-463-8468
伊藤 慎一郎


東日本大震災
『被災地の今、〜報告と今後の支援のあり方を考える集い〜』

5月18日(水)

午後6時半〜8時半

於 本坊

第1部  お話「岩手からの報告〜何が必要とされるか〜」

     岩手県盛岡市郊外 曹洞宗如法寺 住職 近藤光徳
     お話「今、念佛者として伝えたいこと」 法然院 梶田真章

第2部  座談会「今後の支援のあり方を考える」

     今回被災地支援に行かれたバイマーヤンジンさん
     (チベット出身のソプラノ歌手)、
     西村和代さん(環境共育事務所カラーズ)のお話を交えて

参加料 1000円(被災者支援のために使われます)

定員 60名(法然院サンガまでご予約下さい。)


「『親鸞』(阿満利麿著・ちくま新書)を読む」第1回

5月19日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に700円が必要です。)

阿満先生の御著書の中でも御一読を特にお薦めしたい本です。

ご一緒に読んでまいりましょう。


「第8回 ちおん舎・新・染屋町寄席」

5月20日(金)

午後6時45分(午後6時20分開場)

於 ちおん舎(京都市中京区衣棚通(烏丸通から西へ三筋目)三条上ル西側
Tel.075-221-7510

出演


桂 鯛介    「開口一番」      

桂あおば    「子ほめ」       

桂かい枝    「お楽しみ」      

桂ちょうば   「昭和任侠伝」「青菜」 

参加料 ご予約:1300円、当日:1500円

お問い合わせ・ご予約は法然院サンガまで


「“night cruising”」

5月21日(土)

午後6時半(午後6時開場)

於 方丈

Masayoshi Fujita(藤田正嘉)& Jan Jelinek(ヤン・イェリネック)
Japan Tour in KYOTO

共演 「attic plan」(PsysEx 糸魚健一 + curtain of cards 大堀秀一)  「intext」

参加料 前売ご予約:2500円、当日:3000円

ご予約はE−mailにてnightcruising@me.com まで、名前/人数/連絡先/を明記の上、ご送信下さい。


「第170回 善気山念佛会(ぜんきさんねんぶつえ)」

5月26日(木)

午後3時〜6時

参加志納

於 本坊

第1部  

午後3時〜3時半     おつとめ

             本堂でご一緒にお経を唱えます。

第2部

午後3時半〜4時半    おはなし

             「『般若心経』を読む」 梶田真章

第3部

午後4時45分〜5時半  日本舞踊を楽しむ

             出演 坂東 三寿珠(みすたま)

             演目

             哥沢(うたざわ)「淀の川瀬」

             俗曲「京の四季」

             常磐津(ときわづ)「老松」

ご予約不要です。

プログラムの一部へのご参加も歓迎いたします。ご都合のよい時刻からご参加下さい。


「第36回 法然院 夜の森の教室『想像するちから』」

5月29日(日)

午後7時〜9時

於 本坊

お話:京都大学霊長類研究所所長 松沢哲郎 先生

参加料 1000円

松沢先生に今年もお話いただけることになりました。先生は近著「想像するちから」で第11回科学ジャーナリスト賞を受賞されましたが、今回は書名そのままのタイトルでお話をいただきます。ご参加をお待ち申し上げております。

お申し込み

法然院サンガまで電話・メール・ファックスでご予約下さい。


「鷲田清一著『わかりやすいは わかりにくい?〜臨床哲学講座〜』を読む」
第11回
第11章 憧れつつ憎む?
〜家族について〜

6月 2日(木)

午後1時半〜3時45分 

於 本坊

主宰:梶田真章

参加料 志納(初めての方はテキスト代として700円が必要です)

『わかりやすいはわかりにくい?〜臨床哲学講座〜』をご一緒に読み、語り合います。

どうぞご参加下さい。


第127回 法然院森の教室

6月10日(金)

午後7時(午後6時半開場)

於 本坊

「蘇る『森は海の恋人』〜三陸沿岸・豊饒の海 再生の道〜」

講師:田中 克:(財)国際高等研究所フェロー

参加料 1000円(お申し込みは不要です)

定員 100名(当日先着順)

お問い合わせ・主催:フィールドソサイエティー
Tel.075-752-4582 E-mail:moricent@deluxe.ocn.ne.jp


「『親鸞』(阿満利麿著 ちくま新書)を読む」第2回

6月16日(木)

午後1時半〜3時45分

於 本坊

講師:梶田真章

参加料 志納(テキストをお持ちでない方は、別に700円が必要です。)

阿満先生の御著書の中でも御一読を特にお薦めしたい本です。

ご一緒に読んでまいりましょう。


「第23回 沙羅の宴」

6月19日(日)

午後4時(午後3時半開場)

於 本坊

演奏

筑前琵琶:片山旭星(きょくせい)

曲目『祇王』『斎藤実盛』『粟津ヶ原』

参加料 御予約:2500円、当日 3000円(お茶菓子付 80人まで) 大学生以下 1500円

お申し込み・お問い合わせは法然院まで


特に記載のない限り、会場は法然院です。

ご予約は24時間、電話、FAX、E-mailにて承ります。

〒606-8422 京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地 法然院 内
法然院サンガ

Tel. 090-1899-3689   Fax. 075-752-1083
E-mail:Byakurenja@aol.com
法然院のホームページ http://www.honen-in.jp/
法然院森のセンターのホームページ http://www4.ocn.ne.jp/~moricent/


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